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2025年第3回定例会一般質問 議事録
◆19番(白川哲也) それでは、通告に基づき、一般質問を行います。今回は3項目になります。
1項目めは、町田駅周辺開発推進計画についてです。
町田駅周辺は、多摩地域有数の商業地であり、広域交流拠点としての役割を担っております。この活力をさらに高めるためには、今後も様々な都市機能の更新が求められております。民間投資を最大限に引き出すためには、公共が率先して都市基盤を整備することが不可欠です。町田駅周辺開発計画が示され、方向性についても少しずつ具体的になってまいりました。
そこで、お伺いいたします。
(1)町田駅周辺開発への公共投資の考え方は。
次に、森野住宅周辺地区についてお伺いいたします。開発推進地区D地区として設定され、他の地域、地区に先立って進められ、今年度は立体交差検討業務委託料などの予算もつけられ、徐々に向かうべき方向性が見えてきたように思います。森野住宅周辺地区の再生に向け、市はどのような公共投資を計画しているのか、お聞かせください。
(2)森野住宅周辺地区への公共投資は。
次に、2、デジタル化についてお伺いいたします。
コロナ禍を経て、社会全体でデジタル化が加速しております。行政サービスにおいても、市民の利便性向上や業務効率化を図るため、デジタル化は喫緊の課題であります。町田市においては、生成AIと3Dアバターを組み合わせたAIナビゲーターが東京区市町村DXアワード2024において、行政サービス部門優秀賞を受賞するなど、先進的な取組を行っていることは理解しているところではありますけれども、改めて町田市のこれまでのデジタル化の取組についてお聞かせください。
(1)デジタル化の取り組み状況は。
次に、町田市では、有識者から提言をもらうことで、迅速かつ的確にDXを推進するため、町田市デジタル化推進委員会を設置しております。その推進委員会が8月4日に行われました。推進委員会では、町田市デジタル化総合戦略2024改定の方向について示されましたので、確認していきたいと思います。
(2)デジタル化の今後は。
次に、キャッシュレスについてです。町田市で行う業務については、現金を取り扱うことが多い中で、オンライン決済や市役所での窓口キャッシュレスをはじめ、徐々にキャッシュレスが促進されるようになっております。
一方で、市が運営する事業や施設は多岐にわたっているため、現状どの程度進んでいるのか分からない側面がありますので、今回取り上げさせていただいております。
(3)町田市が行う事業や施設におけるキャッシュレスの進捗状況は。
最後に、3、団地再生についてです。
森野住宅周辺地区については、先ほど取り上げましたとおり、駅前の開発として動いている真っただ中であります。ここでは、それ以外の鶴川団地、木曽山崎団地、小山田桜台、藤の台団地について確認していきたいと思います。
今回、1年半ぶりに取り上げますので、その状況について確認したいと思います。
(1)現在までの取り組み状況は。
(2)今後の方針は。
以上、壇上からの質問といたします。
○議長(木目田英男) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) 白川議員のご質問につきましては、副市長及び担当からお答えを申し上げます。
○議長(木目田英男) 副市長 榎本悦次君。
〔副市長榎本悦次登壇〕
◎副市長(榎本悦次) 私からは、項目2のデジタル化についてにお答えいたします。
初めに、(1)のデジタル化の取り組み状況はについてでございますが、市では2024年9月に町田市デジタル化総合戦略2024を策定し、3つの戦略を掲げ、行政サービスのデジタルトランスフォーメーション、DXを推進してまいりました。
それでは、これまでの取組状況について戦略ごとにご説明いたします。
戦略1では、全ての情報システムについてクラウドサービスへの移行を目指し、2024年度中に移行が完了いたしました。
戦略2では、国が定めた20の基幹業務について、2025年度中に標準仕様のシステムへの移行を目指し、2024年度中には住民基本台帳など3業務の移行が完了いたしました。一方、介護保険など8業務において、システムベンダーの都合により稼働時期が2026年度以降となる見込みでございます。
戦略3では、DXの推進として生成AIなどのトレンド技術の導入や行政手続のオンライン化、各業務のデジタル化など様々な取組を進めてまいりました。まず、トレンド技術の導入については、2024年12月に職員向けに音声ファイルから議事録を作成する議事録サポートAIを導入いたしました。また、2025年4月には3Dアバターとチャットで会話しながら、市のデジタルサービスを検索する市民向けのAIナビゲーターをリニューアルし、市のホームページ情報も案内できるようになりました。
次に、行政手続のオンライン化については、2024年度末には553件の手続をオンライン化し、前年度から122件増加しております。オンライン手続の申請件数は、2024年度においては約10万件で、前年度から約3万件増加し、多くの方々にご利用いただいております。
最後に、各業務のデジタル化については、2025年2月に市民課や各市民センターにおいて、待たない窓口を目指すオンライン窓口予約サービスを導入いたしました。また、手作業が多く残っている保育園入園事務と要介護認定事務のフルデジタル化にも着手をいたしました。
こうした市のDXについては、東京都が主催する「Tokyo区市町村DXaward」を3年連続で受賞するとともに、総務省の調査を基に時事通信社が集計、算出した全国自治体DX推進度ランキング2024においても全国1位を獲得するなど、各方面から評価をいただいております。
このように、市のデジタル化施策は、3つの戦略に基づき着実に進捗しております。
次に、(2)のデジタル化の今後はについてでございますが、国や都では、今年度からDX計画の柱として生成AIの積極的な利活用を掲げ、取組を開始しております。市では、これらの動向を受け、有識者で構成する町田市デジタル化推進委員会の提言を踏まえ、町田市デジタル化総合戦略を2025へと改定いたします。
それでは、新たな3つの戦略をご説明申し上げます。今回の改定のポイントとして、生成AIの利活用を戦略1に位置づけ、AIナビゲーターをより便利にするとともに、職員の生成AIの利活用を推進してまいります。
戦略2では、関係機関とのスムーズな情報連携を目指し、自治体と医療機関とをつなぐ情報連携システムであるPMH、パブリックメディカルハブなど、国が整備を進めている基盤をいち早く活用いたします。
戦略3では、業務のフルデジタル化を進めるとともに、誰もが簡単にオープンデータの検索や分析ができるオープンデータファクトリーまちだを提供いたします。
これらの戦略を推進し、バーチャル市役所を実現するとともに、今後も行政サービス改革イコールDXと捉え、情報セキュリティーを確保しつつ、人に優しいデジタル社会を目指してまいります。
最後に、(3)の町田市が行う事業や施設におけるキャッシュレスの進捗状況はについてでございますが、市ではDXの一環として、主に手数料や利用料等の窓口支払いと市税等のオンライン支払いで、キャッシュレス決済の拡充に取り組んでおります。窓口支払いについては、市民課や市民センター及び市民税課の窓口で、住民票の写しや納税証明書などの交付手数料にキャッシュレス決済を利用でき、利用率は約1割となっております。また、市民ホールや国際版画美術館及び総合体育館など8施設の窓口で、施設利用料や物販の支払いにキャッシュレス決済を利用できます。オンライン支払いについては、市民税や固定資産税など全ての税目でキャッシュレス決済を利用でき、利用率は約4割となっております。
なお、市税の支払いにつきましては、キャッシュレス決済のほかに、コンビニ納付も多く利用されており、市民の方々のニーズに応じて支払い方法が選択できるようになっております。市税等のオンライン支払いのほか、LINEなどのオンライン申請アプリを利用した手続のうち、支払いが生じるものについては、キャッシュレス決済が利用できます。また、市民ホールと和光大学ポプリホール鶴川のチケットの支払い等についても、オンラインでのキャッシュレス決済が利用できるようになっております。
市では、今後も引き続き、市民の利便性を高めるキャッシュレス決済の拡充を進めてまいります。
○議長(木目田英男) 副市長 櫻井純君。
〔副市長櫻井純登壇〕
◎副市長(櫻井純) 私からは、項目1の町田駅周辺開発推進計画についてにお答えいたします。
まず、(1)の町田駅周辺開発への公共投資の考え方はについてでございますが、これからの時代のまちづくりにおきましては、企業などの民間事業者にまちづくりの主体として積極的に関わってもらうこと、すなわち、民間投資を促すことが大変重要であると考えております。そのためには、民間投資の呼び水となり、民間事業者はチャレンジできる材料や舞台を行政としてどれだけ用意できるかといったことが町田の未来を左右する鍵となり、民間事業者が投資していきたくなるような仕掛けを生み出す公共投資が不可欠でございます。
これまで町田市では、2019年にまちびらきをした南町田グランベリーパーク、2020年にオープンした町田薬師池公園四季彩の杜西園など、まちづくりに投資を行い、多くの人でにぎわう場を創出してまいりました。
一方、町田駅周辺におきましては、商圏人口230万人を有する商都町田と称され、にぎわいを保っておりますが、周辺都市の駅前においても、大型商業施設の開業など開発が進んできたことから、商業のにぎわいで人々を引きつけてきた町田駅周辺の優位性は薄れつつあります。
このことを踏まえ、町田駅周辺開発への民間投資を喚起するためには、公共施設の整備を進めることで駅周辺の魅力を向上させ、将来にわたって多くの人々が訪れ、消費が拡大していくことを期待させる必要がございます。この実現に向けて市は、エンターテインメント施設など新たな機能の導入や現在策定中の(仮称)町田駅周辺交通基盤・公共空間等整備方針に基づき、ペデストリアンデッキ、バスターミナル、道路などの交通基盤への積極的な公共投資を行い、民間投資を呼び込んでまいります。
次に、(2)の森野住宅周辺地区への公共投資はについてでございますが、森野住宅周辺地区は、駅に近接する立地でありながら、中低層の住宅が中心の土地利用となっており、JKK東京や町田市が多くの土地を所有していることから、大規模な土地利用転換のポテンシャルを持つ地区でございます。そのポテンシャルを開花させるために、地区内に人々が訪れる目的を高めるための音楽演劇ホールの整備、日常的に憩い、くつろげる広場の整備を目指しております。
加えて、地区内に人々を誘導するためのペデストリアンデッキやアクセス道路の整備が不可欠でございます。とりわけアクセス道路は、町田市及び相模原市から多くの来訪者を呼び込み、民間投資を喚起するための交通基盤として、その役割は重要と考えております。このアクセス道路につきましては、市役所交差点から南に向かってJR横浜線をアンダーパスで横断し、開発地区をS字で東西に通り、小田急線の手前で境川に橋をかけ、相模原市のハナミズキ通りに接続する幅員12メートルの道路を計画しております。
これらの公共投資によって、集客性とアクセス性の向上を図ることができ、森野住宅周辺地区は民間事業者による商業施設や都市型住宅の整備などの投資が期待できます。そして、町を訪れる人や定住人口の増加も含め、経済活動が活発になり、投資以上の大きな経済効果が得られるものと考えております。
○議長(木目田英男) 都市づくり部長 原田功一君。
◎都市づくり部長(原田功一) 項目3の団地再生についてにお答えいたします。
まず、(1)の現在までの取り組み状況はについてでございますが、町田市都市づくりのマスタープランにおいて策定した団地再生基本方針では、時代の変化に対応しつつ、地域とともに歩み続ける団地を団地再生の基本理念に掲げ、取組を進めていくこととしております。
現在、多摩都市モノレール沿線の森野住宅及び木曽山崎団地と地区再生方針が定められている鶴川団地では、団地事業者と定期的に建て替えに向けた協議を行っております。
建て替え以外の取組といたしましては、藤の台団地において2024年8月にUR都市機構と、時代の変化に対応しつつ、地域とともに歩み続ける団地の実現に向けた連携協力に関する覚書を取り交わしました。この覚書に基づき、UR都市機構は、市と協議しながら、高齢者に配慮した住宅改修などを進めてまいります。また、小山田桜台団地では、毎年秋に団地の魅力を知ってもらうためのイベントとして、UR都市機構及び小山田桜台まちづくり協議会と市の共催で「小山田桜台団地PLAY DAY!」を開催しております。
次に、(2)の今後の方針はについてでございますが、今後につきましても、団地再生基本方針の取組の方向性の一つとして掲げている立地、エリアの特性に応じた地域団地再生に基づき、多摩都市モノレール町田方面延伸に伴う町田駅及び新駅周辺の団地や地区再生方針が定められている団地などを重点的に進めていく方針でございます。
また、その他の団地につきましても、UR都市機構及びJKK東京の団地再生の考え方や地域住民、関係者の声などを踏まえ、将来を見据えた地域、団地の価値向上の検討を進めてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) それぞれご答弁いただきましたので、自席より再質問いたします。項目順に行きたいと思います。
まず、町田駅周辺開発推進計画について再質問いたします。
この町田駅周辺の開発事業は、本当に町田市の将来を左右する一大プロジェクトだと思います。町田市民の生活の向上と町田市の持続的な発展に不可欠だと思います。市長が以前、25番議員の質問の際に、町田駅の再開発は総額で大体3,000億円とか4,000億円とか、そういうオーダーになろうかと思うというようなご答弁をされておりました。この金額は本当にインパクトのあるものだったと思います。
これは民間投資が前提なので、予算規模と比べるのはまた違うとは思います。しかし、本当に規模も大きいので、市民、また多くの方々が関心を寄せていらっしゃると思います。今後の再開発を進めていくに当たり、どのような考えで、どのような投資を行っていくのか。多摩地域でも、大規模な再開発事例はたくさんあるんですけれども、それらの事例と比較しても、町田駅周辺の再開発は、開発面積だけでも数倍に及び、本当に類を見ない規模の事業になります。
工事費の高騰も考慮すると、単純な面積比での比較が難しいことは理解しておりますけれども、この大規模な再開発に対して、市はどのような財政負担を想定されているのでしょうか。市民の皆様の税金が将来にわたって最大の価値を生み出すよう、慎重かつ大胆な財政運営を望むわけであります。
予算規模を含めた財政的な見通しについて、武蔵小金井駅や立川駅の再開発の例も以前からやり取りは確認していますので、そういった多摩地域の他の事例と比較してどうなのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 中心市街地・モノレール推進担当部長 萩野功一君。
◎中心市街地・モノレール推進担当部長(萩野功一) 町田駅周辺の再開発では、民間事業者が開発主体となる事業を想定しておりますが、例えば町田駅周辺に必要なペデストリアンデッキやバスターミナル等の公共施設の機能更新を図るなど、公共的な課題を解決するためには、行政による一定の財政負担が必要と考えております。一般的には、市街地再開発事業に対する補助金や再開発事業と連動した公共施設整備費などの支出が考えられますが、予算規模につきましては、現時点では未定でございます。今後、事業を具体化していく中で適切に算定してまいります。
次に、多摩地域での直近の再開発との比較という点では、例えば2020年に完成した武蔵小金井駅南口第2地区の市街地再開発事業は、面積約1.6ヘクタールで、総事業費約537億円のうち、これは市の補助金に限って言えばなんですが、約72億円であり、ここに国や都の負担金も含まれております。2016年に完成した立川駅北口西地区の市街地再開発事業は、面積約0.7ヘクタールで総事業費約260億円のうち、市の補助金は約29億円で、国や都の負担金もここに含まれております。
町田駅周辺の再開発は、開発推進地区AからDとJR町田駅南地区全体で面積約9.2ヘクタールあり、面積比で武蔵小金井駅南口や立川駅北口の数倍となり、多摩地域では類を見ない規模となります。現在の工事費の高騰などを踏まえますと、申し上げた地区と単純比較はできないものの、市としましては、投資に見合った効果が得られる計画としてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 武蔵小金井駅南口が約1.6ヘクタールで総事業費約537億円、立川駅北口が約0.7ヘクタールで総事業費約260億円、町田駅の開発推進地区AからDとJR町田駅南地区全体で約9.2ヘクタールで、規模に応じた再開発の総事業費は、物価高騰も考慮すると、それこそ市長が以前おっしゃられたような総事業費3,000億円から4,000億円ということになるかと思います。
今、市の負担については明確な数字はなかったんですけれども、同様に他市の状況から推察すると、国や都の負担金なども含めた市の補助金というのは400億円から500億円程度、それぐらいになるのかなという計算になります。本当にそれだけ大規模なプロジェクトですので、町田駅周辺の再開発事業の成功には、単なるハードの側面、整備にとどまらず、都市としての魅力向上、すなわち民間活力を最大限引き出すための明確なビジョンが不可欠だと思います。
民間投資を呼び込むためには、行政からの強いメッセージ、つまり明確なコンセプトを打ち出すことが極めて重要だと思います。南町田グランベリーパークの事例はその好事例と思うんですけれども、町の全部がパークとなるというコンセプトのもと、東急株式会社とともに鶴間公園と商業施設の一体的な事業に積極的に投資した結果、現在では平日、休日を問わず多くの人でにぎわいを見せております。成功事例と言っていいと思うんですけれども、このコンセプトの持つ力、そして官民連携の重要性を示すものだと認識しております。
町田駅周辺には、既に豊富な商業集積があり、多くの人々が行き交うにぎわいがございます。しかし、にぎわいをさらに高めて、新たな価値を創造するためには、次の時代の消費行動に対応した新しいコンセプトが必要になると思います。このような時代において町田駅周辺の再開発には、単に高層ビルを建てて商業施設を誘致するだけでは真の成功ではないと思います。むしろ、市民や来街者がここでしかできない体験を求めて集い、その体験が新たな交流や活力を生み出すような仕掛けが必要だと思います。
そこでお伺いいたします。
町田駅周辺においては、どのようなコンセプトを掲げ、民間投資の呼び水としていくのか、市の考えをお聞かせください。
○議長(木目田英男) 中心市街地・モノレール推進担当部長 萩野功一君。
◎中心市街地・モノレール推進担当部長(萩野功一) 町田駅周辺開発推進計画では「いつだってまちだ~新たな賑わいと交流の創出~」を開発コンセプトとして示しており、これまでの商業のにぎわいに加えて、誰かと一緒に映画を楽しんだり、音楽や演劇などを体感できるようなエンターテインメントによるまちづくりを推進してまいります。
人々の消費行動について、モノ消費からコト消費への行動変容が唱えられ始めて久しいのですが、エンターテインメントによるまちづくりは、さらにコト消費を促進していくものであり、民間投資の呼び水になると考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) エンターテインメントによるまちづくりの推進ということで、これから検討される音楽芸術ホールなども、そのコンセプトに沿ったものかと思いますし、また、ずっと必要性を言われ続けていた町田駅には映画館がない、こういうシネマコンプレックスなども、エンターテインメントによるまちづくりという観点では必要なものかと思います。私自身も、そのコンセプトについては賛同いたしますので、打ち出し続けてほしいと思います。
一方で、市がどんなにこういうことを言ったとしても、再開発には民間投資が必要不可欠となります。そのようなコンセプトを民間と当然共有してほしいんですけれども、町田市が思う民間とはどういったところをイメージしているのか。南町田では東急株式会社という大企業が積極的に投資してくれたことで成功を収めたと思います。町田駅開発では、積極的に投資してもらえるパートナーとなり得る企業はあるのでしょうか。
○議長(木目田英男) 中心市街地・モノレール推進担当部長 萩野功一君。
◎中心市街地・モノレール推進担当部長(萩野功一) 町田駅周辺開発に積極的に投資していただけるパートナー企業といたしましては、AからD地区全てに地権者として権利を有している小田急電鉄株式会社が有力だと考えております。小田急電鉄とは多摩都市モノレール町田方面延伸を見据えた小田急町田駅周辺まちづくりの検討に関する協定を締結しており、小田急町田駅を含む駅周辺エリアが地域活力を創出する拠点的な役割を果たすことを目指し、例えばB地区では、小田急電鉄株式会社とシネマコンプレックス等の導入などについて意見交換を重ねるなど、連携、協力してまちづくりの検討に取り組んでおります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 小田急電鉄株式会社が有力ということでした。特に今おっしゃられたように、B地区においては、シネマコンプレックスなどの導入など意見を重ねるということであります。小田急との連携というのは本当に重要だと思っておりまして、小田急がどれだけ力を入れてくれるかによって開発の規模も大きく変わるかと思っております。
現在進められている新宿駅西口開発における小田急の投資総額は約1,300億円と言われております。現在の町田駅の駅舎をどうしていくのか、今お話のあったB地区をどのように活用していくのか、ぜひとも小田急電鉄とは親密な協力関係、パートナーシップを取っていただきたいと思います。
また、B地区以外にも、A、C、Dの地区においても地権者として権利を持っているということでありますので、B地区のみにかかわらず、全体の計画で、その関係性を強固にしていただきたいと思います。
次に、森野住宅周辺地区のほうに移りたいと思います。D地区までの動線、歩行者アクセスについて伺いたいと思います。現在、小田急町田駅のほうからD地区のほうに行こうとすると、ペデストリアンデッキを下りて西友とパリオの間の道を通って、トンネルを抜けていくか、西友とローソンとキリンシティなどが入っているビルを通ってトンネルを渡っていくような形となっております。森野住宅周辺地区へは、新たにC地区からペデストリアンデッキを延ばして歩行者動線を整備すると伺っておりますけれども、どのようなデッキ整備を考えているのでしょうか。
○議長(木目田英男) 中心市街地・モノレール推進担当部長 萩野功一君。
◎中心市街地・モノレール推進担当部長(萩野功一) C地区からD地区に新たに計画しているペデストリアンデッキは、現在の西友、パリオビルの間付近から横浜線を越え、音楽演劇ホールや都市型住宅までをつなぐバリアフリー動線として整備することを目指しております。また、このペデストリアンデッキは、水害時にD地区内の人々が安全に避難できる通路としても活用してまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 現在、線路がC地区とD地区を分断するような形になっているところ、駅からペデストリアンデッキを通って直結できるような音楽演劇ホールのほうに向かうことができるということですので、D地区への回遊性が高まることを期待しております。
D地区においても、多くの方が訪れることを期待するわけなんですけれども、エンターテインメントによるまちづくりの推進にもつながる音楽演劇ホールについて、現在検討されているこの音楽演劇ホール、名称によってはライブホールと言ったり、文化芸術ホールと言ったり、ライブホール等の文化芸術コンテンツ、様々な名称がありますけれども、全て同義だと考えております。
そして、2,000席規模のこの音楽演劇ホールについては、これまで自治体が運営してきたクラシックな、いわゆる公共ホールではないという認識もしております。資料を格納しましたので、ご確認いただきたいと思います。
1ページ、2ページは、これまでイメージしてきた公共ホールのイメージになります。J:COMホール八王子が着席で2,021席、相模女子大学グリーンホールが1,790席、府中の森芸術劇場どりーむホールが2,027席、調布市グリーンホール1,301席、ちょっとこっちは小さいんですけれども、こういったものをそもそもはイメージしてきたんですけれども、これらは座席が固定で、着座で見ることが前提となっております。
ただ、今回、市で方針が出されているものは、エンターテインメントによるまちづくりで、いわゆるアーティストやバンド、アイドルなどのライブが行えるようにするホールとなると、着座だけではなくてスタンディングも多いので、このようなイメージではなく、次のページに載せております豊洲PITやZepp DiverCityのようなものだと考えております。
椅子席が固定されていない分、見た目はシンプルなんですけれども、次のページのように、アーティストのライブなどではスタンディングで大きく盛り上がるようなことが期待できるかと思います。また、呼べるアーティストの幅も広がります。
一方で、公共ホールと違って、こういったものは民間で整備して民間で運営することも多いんですけれども、現在検討している音楽芸術ホールのイメージや整備運営手法について、どのように検討されているのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 中心市街地・モノレール推進担当部長 萩野功一君。
◎中心市街地・モノレール推進担当部長(萩野功一) 町田市の新たなシンボルとなる音楽演劇ホールは、町田駅周辺の中心市街地をエンターテインメントの町として今よりもっと輝かせていくための集客装置を目指しております。座席数が2,000席と大規模で、高品質な設備を備えた音楽演劇ホールは、国内外の有名アーティストによる興行を誘致し、市民をはじめとした多くの方々にライブ等の鑑賞機会を提供することで、集客性と経済効果を重視した施設にしていきたいと考えております。
整備手法としましては、森野住宅周辺地区の地権者の皆様とともに実施する市街地再開発事業の一環として、ホールも含めた施設設備や道路等の基盤整備を進め、ホール部分につきましては、市が取得することも想定しております。その上でホールの運営につきましては、民間事業者の力を最大限に活用した効率的かつ効果的な手法の検討を進めてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) ホールを含めた施設は市で整備して、運営については民間事業者の力を最大限に活用していくということでしたので、私はイメージしているところに近いのかなということが確認できました。
先ほど紹介したZepp DiverCityを始めたZepp系は、ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社、株式会社Zeppホールネットワークが運営、豊洲PITをはじめとするPIT系はチケットぴあなどの事業を展開するぴあ株式会社が運営をしております。そういった民間事業者の力も借りながら、町田市がエンターテインメントの町となることを期待しております。
そして次に、資料の次のページ、5ページ目になるんですけれども、こちらはZepp Hanedaと立川ステージガーデンになります。どちらもスタンディングだと3,000人規模のキャパになります。椅子はどちらも取り外しができる可動式なんですけれども、Zeppのほうがパイプ椅子に近いのに対して、立川ステージガーデンは椅子も、可動式ではあるんですけれども、設置もしやすく、座り心地も高めているということであります。
立川ステージガーデンのホームページを確認しますと、立川ステージガーデンはホールであり、劇場であり、シアターであり、野外劇場であり、ライブハウスであり、イベントスペースである、そんな全く新しいエンターテインメント空間ですとしております。こちらは民設民営ではありますけれども、今一番イメージしているものに近いのかなと思っております。
次のページを見てもらうと、立川ステージガーデンは2階席、3階席までありますので、座席数が多いんですけれども、今後、町田市としては、どこまで、2階まで造るのか、3階まで造るのか、そういったことも検討はされるとは思うんですけれども、どのようなしつらえにしていくのか、こういった様々な先進事例を参考にして、よりよい音楽演劇ホールの検討をお願いできればと思います。
これまでのいわゆる公共ホールの役割というものは町田市民ホールに担ってもらい、新たな音楽演劇ホールでは、よりエンターテインメントに振った形で共存を図っていただき、相乗効果を発揮してほしいと思っております。
以上で1項目めを終わります。
次に、デジタル化について再質問していきたいと思います。
まずは2024年度の取組について確認していきたいと思います。市がデジタル化総合戦略2024に基づき、順調にDXに取り組んでいることについては理解できました。今後も自治体DXのトップランナーとして、前向きな施策の実施を期待したいと思っておりますけれども、これまでのDXの主な取組のうち、行政手続のオンライン化については、オンライン手続申請件数が大きく増加しているということでありました。
オンライン化した手続累計が2024年度、目標値475件に対して既に553件と急ピッチで進んでいることが分かりました。また、オンライン申請件数も、2年前、2022年度4万1,913件から2024年度は9万9,400件と倍以上になっております。オンライン申請利用率も31.2%と進んでいるように感じます。数字上では、うまくいっているように見える行政手続のオンライン化ですけれども、市として実際の市民、職員への効果をどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) デジタル戦略室長 髙橋晃君。
◎デジタル戦略室長(髙橋晃) 行政手続のオンライン化による市民の皆様への効果については、申請のために来庁する時間や窓口でお待ちいただく時間が減少するため、削減効果としては2024年度で約3億円と試算しております。また、職員への効果につきましては、窓口対応の時間が減少するため、市の業務改善効果額としては、2024年度で約4,000万円と試算しております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 削減効果を試算して、それぞれ約3億円、約4,000万円の効果があったということでありました。目に見えない部分かとは思うんですけれども、こういった手法も管理しながら、引き続きの行政手続のオンライン化の推進をお願いしたいと思います。
次に、DXの2025年度の取組について確認したいと思います。壇上からの答弁では、町田市デジタル化総合戦略2025の新たな3つの戦略がありましたので、それぞれ詳細を確認していきたいと思います。
戦略1のAIの活用については、今議会、18番議員の質問の際にも、改定のポイントであったり、時期の質問があり、内容は分かったところではあります。その中で現状の生成AIがどの程度利用されているのか、AIナビゲーターの利用状況やAI議事録の利用状況等、市民向け、職員向け、それぞれの実績についてお伺いしたいと思います。
また、戦略2については、PMHその他情報連携の取組をするということでありますけれども、この詳細についてもお伺いしたいと思います。
また、戦略3、オープンデータファクトリーまちだについては、どのような仕組みなのか、現在あるカタログサイトとのすみ分けであったり利便性、実施する意図、効果などについてお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) デジタル戦略室長 髙橋晃君。
◎デジタル戦略室長(髙橋晃) まず、生成AIの利用実績ですが、市民向け生成AIサービスでありますAIナビゲーターのアクセス数は、利用を開始した2024年7月から先月8月までで約2万2,000件でございました。職員向け生成AIサービスのアクセス数は、2024年4月から先月8月までで約14万件でございました。また、音声ファイルから議事録を生成する職員向け議事録サポートAIの利用実績は、利用を開始した2024年11月から先月8月までで約800時間分の音声データを文字データに変換いたしました。
次に、PMH、パブリックメディカルハブの取組につきましては、2024年度に3~4か月児健康診査のフルデジタル化の実証を行いました。この取組により、市民の方はマイナポータルで問診票の入力ができ、手書きの時間が削減されます。また、職員はタブレットを利用して健診結果を入力でき、手書きの手間が削減されます。さらに、市民の方はマイナポータルで健診結果を確認いただけます。
最後に、オープンデータファクトリーまちだの概要ですが、統計情報や3D地図など、市に関連する様々なデータを生成AIを活用して、誰もが簡単に分析することができるサービスでございます。この効果としましては、このサービスを市民や事業者、大学、あるいは職員が活用することで地域課題の解決や地域経済の活性化につながっていくことを期待しております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 本当に様々利便性が上がっていくんだなということが確認できました。また、そういったものがどのように使われていくのか、そういったところの効果の検証もしていただくようお願いいたします。
次に、キャッシュレスの推進についてお伺いしたいと思います。キャッシュレスの進捗状況については、先ほど答弁がありましたとおり、市民ホールや国際版画美術館及び総合体育館など、8施設の窓口で施設利用料や物販の支払いにキャッシュレス決済を利用できるということでございました。当然、町田市の施設は8施設だけではなく、多くの施設があります。それらの施設で現在でもまだ多く現金利用もあります。一つ一つ施設ごとにキャッシュレスを導入するしないという検討も可能だとは思うんですけれども、やはりある程度一括して導入できるような仕組みが必要だと思っております。
特に町田市では、施設案内予約システムで多くの施設を管理しておりますので、市の施設利用に関するキャッシュレスの推進について、どのような取組を進めていくのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) デジタル戦略室長 髙橋晃君。
◎デジタル戦略室長(髙橋晃) 市の施設利用に関するキャッシュレスの推進についてでございますが、施設案内予約システムのリニューアルに向けて、現在、施設利用料のキャッシュレス決済導入を検討しております。現在、施設の利用に当たりましては、利用当日に施設の窓口で現金でお支払いをいただいておりますが、キャッシュレス決済導入が実現すれば、施設の予約に合わせて事前にオンラインでお支払いいただけるようになるため、市民の皆様の利便性向上につながるものと考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 施設案内予約システムで事前にオンライン決済ができるようなことが確認できました。施設案内予約システムで予約できる施設、数えたところ、65ありましたので、これは本当に町田市のキャッシュレス化という点では大きく前進すると思っております。
また、一方で、今の話はネット上でのオンライン決済になるかと思います。これだと当日決済の場合は、現地で現金払いになろうかと思うんですけれども、そこでお伺いしたいと思います。それぞれの施設で現地で支払う際のキャッシュレス化についてはどのようにしていく予定でしょうか。
○議長(木目田英男) デジタル戦略室長 髙橋晃君。
◎デジタル戦略室長(髙橋晃) 利用当日に現地で支払いする際のキャッシュレス決済につきましても、施設案内予約システムのリニューアルと併せて検討してまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 施設案内予約システムでオンライン決済できるようになるとともに、窓口のキャッシュレス決済についても検討するということを確認できました。オンライン、そして窓口ともにキャッシュレスで検討されるということは大変大きな前進になるかと思います。ぜひ早期の実現をよろしくお願いいたします。
それとともに、施設案内予約システムで管理している施設以外の現在、現金決済をしている施設についても確認したいと思います。先ほど施設案内予約システムでは、65あったという話もしたんですけれども、その他の施設はどの程度あるのでしょうか。
例えば自然休暇村、リス園などは、ある程度利用者数が多いんですけれども、キャッシュレス決済には対応できていないかと思います。これは一例なんですけれども、町田市では現金の取扱いのある施設が様々あると思います。その施設も様々な部署にもまたがっていますし、直営のものもあれば指定管理のものもあります。先ほど施設案内予約システムに対応している施設については、オンライン決済、窓口キャッシュレスについても検討していくという話でした。
それ以外の部分の施設に対するオンライン決済窓口キャッシュレス化の状況、方針についてお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) デジタル戦略室長 髙橋晃君。
◎デジタル戦略室長(髙橋晃) 施設案内予約システムに対応していない施設につきましては、多数ございますので、現在としては完全に把握ができていない状況ですので、まずは調査を行ってまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今後、調査を進めていくというお話をいただきました。しっかり状況も把握していただき、ぜひとも前向きに進めていただきたいと思います。
あと、この項目の最後に、施設利用以外のキャッシュレスの推進についてもお伺いしたいと思います。現在、税の支払いについては全てキャッシュレスに対応済みということでしたけれども、市税以外の支払い、例えば道路の占用料の支払いなど、手数料だとか使用料などの支払いについては、今後、何かしら対応していく予定はあるのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) デジタル戦略室長 髙橋晃君。
◎デジタル戦略室長(髙橋晃) 施設利用料以外のキャッシュレスの推進につきましては、国が推進しています地方税統一QRコードであるeL-QRというものがありまして、その活用を検討しております。このeL-QRは、現在、町田市を含む全国の自治体で市税の納付手段の一つとして利用されております。活用のメリットとしましては、自治体が負担するコストが安価であることが挙げられます。また、2026年9月からは、市税以外の支払いでも利用可能となる予定です。
例えば、道路占用料や行政財産の目的外使用料などで幅広くキャッシュレス決済ができる可能性がございますので、さらなる活用に向けて検討を開始しております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 行政財産の目的外使用料などにおいても、キャッシュレス決済を検討するということですので、本当に一歩ずつ進んでいるということを感じます。市では、取扱い業務が幅広くて、現金で取り扱う場面というのも非常に多くあると思います。全ての業務においてキャッシュレス化が可能なのかは未知数なんですけれども、これからのキャッシュレスをさらに推進していただきたいと思います。
単に新しいサービスを導入するということではなくて、今お話があったとおり、国が推進する取組をうまく活用して、自治体、市の負担コストを抑えて推進を進めるということもされているということが確認できました。今後も町田市がDXの最前線を切り開いていくこと、また、市民に寄り添ったサービスを提供していくことを期待して、この項目を終わりたいと思います。
最後に、団地再生について確認していきたいと思います。令和6年3月以来1年半ぶりの質問になります。この間に藤の台団地についても動きがありましたので、ちょっと確認していきたいと思うんですけれども、藤の台診療所が昨年6月30日に閉院して、内科、午前中のみではあるんですけれども、12月2日に再開をいたしました。また、スーパーのAコープが今年の2月28日に閉店して、7月5日にビッグ・エーが開店となりました。
病院、スーパーと立て続けに地域の方にとって必要不可欠なものがなくなって、本当に多くの方から心配の声をいただきました。当然、URが動いていくものではあるんですけれども、仮になくなったままになってしまったら、多くの住民の方が買物難民、医療難民となってしまうところであったと思います。ともに半年以内に解決できたところではあるんですけれども、市としてこの2つの閉鎖について、どのような関わりをしたのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 都市づくり部長 原田功一君。
◎都市づくり部長(原田功一) 市としての関わりといたしましては、診療所及びスーパーマーケットの営業が早期に再開されるよう、UR都市機構に働きかけを行いました。その後、議員おっしゃるように、診療所のほうは昨年の12月に再開し、スーパーマーケットのほうは今年の7月に新たな店舗が営業を開始いたしました。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 一応今の話だと市のほうでもURのほうに働きかけを行って努力されたということでございました。ともに解決を見ておりますので、効果があったのだろうと推察することにします。
こういったことも急に起こり得ることでありまして、また地域、有事の際にやはりURと密な連携を取ってもらって、フォローできるような体制も取っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、先ほど壇上からの答弁でもあったんですけれども、昨年の8月9日に町田市とURとの間で覚書を取り交わしております。「町田山崎団地及び藤の台団地における『時代の変化に対応しつつ、地域とともに歩み続ける団地』の実現に向けた連携協力に関する覚書」ということなんですけれども、この覚書というものはどのようなものなのか、教えていただければと思います。
○議長(木目田英男) 都市づくり部長 原田功一君。
◎都市づくり部長(原田功一) この覚書は、町田市が団地再生基本方針で掲げている時代の変化に対応しつつ、地域とともに歩み続ける団地とUR都市機構が進めている地域医療福祉拠点化の目的である多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい、町の実現に向け、相互で協力するために取り交わしたものでございます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今のお話にある地域医療福祉拠点化の取組については、URのほうでも今の話の冊子を出しております。今回、資料を添付したので確認していただきたいと思います。資料の10、11になります。ちょっと読ませていただきます。「地域医療福祉拠点化の取組みでは、地域の関係者の方々と連携・協力しながら、豊かな屋外空間を備え、多くの方々が住まう団地を“地域の資源”として活用し、地域に必要な住宅・施設・サービスの整備を推進していきます。団地を含む地域一体で、“多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち《ミクストコミュニティ》」、これは高齢者や子育て世代など、いろんな世代をつなげるコミュニティーのことだということなんですけれども、の実現を目指すというところで、実際の取組については、下に記載されておりまして、主な取組は3つとなっております。1、地域における医療福祉施設等の充実の推進、2、高齢者等多様な世代に対応した居住環境の整備推進、3、若者世帯・子育て世帯等を含むコミュニティ形成の推進となっております。覚書を結んで1年程度が経過して、藤の台団地においても、具体的な取組が進められているように思いますけれども、現状どのような取組が行われているのでしょうか。3つの取組それぞれについてお答えいただければと思います。
○議長(木目田英男) 都市づくり部長 原田功一君。
◎都市づくり部長(原田功一) 藤の台団地における具体的な3つの取組ということでございます。
まず、地域における医療福祉施設等の充実の推進についてでございますが、団地を含む地域全体で在宅医療、看護、介護サービス等が受けられ、安心して住み続けられる環境づくりを目指すというものでございます。現状の取組といたしましては、医療、介護事業者向けの駐車スペース、こちらのほうの普及促進を進めております。
次に、高齢者等多様な世代に対応した居住環境の整備推進についてでございますが、高齢者の方が安全安心に住み続けられるように、住宅や多世代のニーズに合った住宅の整備を進めていくというものでございます。
現状の取組といたしましては、藤の台団地の管理サービス事務所に生活支援アドバイザー、この方が1名配置されております。生活支援アドバイザーは、地域の高齢者支援の会議体に参加したり、見守りサービスの提供などを行っております。また、高齢者等が住みやすいように、1、2階の一部住戸を転倒防止や安全に配慮した健康寿命サポート住宅に改修することが検討されております。
最後に、若者世帯・子育て世帯等を含むコミュニティ形成の推進についてでございますが、団地内の屋外空間や集会所等を活用し、多世代交流の機会の創出や生活支援サービス機能の導入を進めるというものでございます。現状の取組といたしましては、生活支援アドバイザーがこの集会場を活用してフラワーアレンジメントや熱中症対策などのイベントを開催しております。引き続き、住民のニーズに応じたイベントの開催などを行っていきます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今のご答弁を伺うと、地域医療福祉拠点化されて、大きなプロジェクトが動いたという感じよりは一歩一歩着実にいこうというような感じに読み取れます。
実際、藤の台団地においては、昨年、まだ覚書を取り交わしたばかりではありますので、これからに期待したいというところではあるんですけれども、全国では大分前から、この地域医療福祉拠点化に取り組んでいるかと思います。この地域医療福祉拠点化に取り組んでいる団地はほかに全国でどのくらいあるのでしょうか。
○議長(木目田英男) 都市づくり部長 原田功一君。
◎都市づくり部長(原田功一) UR都市機構が地域医療福祉拠点化に取り組んでいる団地は、2025年、今年の5月現在では全国で310ございます。町田市内では、2016年11月に覚書を取り交わした鶴川団地を含め、山崎団地、藤の台団地の3団地が選定されております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 全国では310団地、町田市においても、鶴川団地が先行して既に2016年に地域医療福祉拠点化に着手しているということでありました。町田市では先進事例となる鶴川団地において、この地域医療福祉拠点化に着手後、どのような取組が行われたのでしょうか。
○議長(木目田英男) 都市づくり部長 原田功一君。
◎都市づくり部長(原田功一) 鶴川団地の取組ということですが、地域医療福祉拠点化に着手後、UR都市機構が生活支援アドバイザーを配置し、高齢者の相談対応や地域交流促進イベントを実施しております。また、高齢者支援センターの分室である鶴川あんしん相談室を団地内に設置いたしまして、UR都市機構と高齢者支援センターとの連携体制も構築しております。
さらに、UR都市機構と社会福祉法人悠々会、地域住民による鶴川団地地域支えあい連絡会の三者による基本協定に基づき、買物支援の一環として団地内及び団地周辺において電動カートによる交通サービスを導入いたしました。
ハード面においては、延べ11棟に18基のエレベーターが設置され、多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい、町の実現に向けたまちづくりが着実に実施されてまいりました。町田市といたしましても、UR都市機構と連携協力しながら、これらの取組を進めております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今、様々な取組をご紹介いただきました。やはり藤の台団地側から見ますと、鶴川団地やUR側もいろいろ動いて、様々な取組を行っているように感じるところであります。
それは、当然鶴川団地側からの呼びかけもあるでしょうし、地域医療福祉拠点化と同時に、町田市鶴川団地と周辺地区再生方針、こういったものも出していることもあるかと思いますけれども、今回、藤の台団地でも、この地域医療福祉拠点化が契機となって、鶴川で行われているような様々な事業、エレベーター設置などのハード面も含めた取組がなされ、団地再生が進展していくことを期待して、この質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
2025年第2回定例会一般質問 議事録
◆19番(白川哲也) それでは、通告に基づき、一般質問を行います。今回は物価高騰や金利上昇などが市や市内事業者に与える影響について確認していきたいと思います。
昨今の急激な物価上昇や金融引き締め策に伴う金利上昇は、市民生活や市政運営に多大な影響を及ぼしております。消費者物価指数の上昇率は直近で3.6%、ここ最近は前年比3%から4%台で推移をしております。
4月の消費者物価指数では、米類は前年比98.4%上昇し、1971年1月以降で最大の伸び率を記録しております。この米類価格の上昇は、CPI全体に対し0.6%の押し上げ要因となり、個人消費に深刻な影響を与えております。
また、日銀によるマイナス金利政策の解除により長期金利は上昇し、これは地方債金利にも影響を与えております。土木部門、資材価格は4年前と比較して36%上昇しており、材料費と労務費の上昇により、建設コストが大幅に上昇していることは周知のとおりでございます。
施設の整備、維持コストが増大、燃料、電力費などの高騰、各種施設等の光熱水費が増加するなど、歳出が増える一方、市税収入は伸びているものの、歳出を賄うほどの伸びではありません。金利上昇により起債の利払い費が増加し、将来的な財政負担が拡大しています。市内事業者においては原材料費、借入金利の上昇による倒産、廃業のリスクの高まりなどが考えられます。
町田市産業振興計画19-28では、物価高騰対策を計画当初から明言はしておりませんが、実行段階での給付金や補助制度、相談支援、販路、技術支援を通して、コスト上昇に直面する事業者を包括的に支援する構造が組み込まれていると考えております。
特に資金調達の難易度が増す中で、町田市中小企業融資制度の仕組みは重要度が増すと考えております。融資の側面で見れば、金利の上昇はマイナスの側面が大きいですけれども、一方で金利上昇は悪い側面だけではありません。町田市の公金の管理運用においては、歳計現金と基金を金融市場の動向に応じて効率的に運用しております。特に基金については、債権を活用した中長期的な運用を開始し、定期預金との組合せにより、より効率的な運用を行っております。こういった運用は金利の上昇の側面においてはプラスに働いております。
このように、物価高騰や金利上昇等により、これまでとは違う市政運営を行っていく必要がございます。このように市を取り巻く情勢が変わる中で、市はどのように考え、どのような対策を取っていくのかを確認していきたいと思います。
1、物価高騰・金利上昇等が市の財政に与える影響について。
(1)予算編成・中長期の計画においてはどうか。
(2)市債発行・利子支払いにおいてはどうか。
(3)預金管理・資金運用においてはどうか。
2、物価高騰・金利上昇等が市内事業者に与える影響について。
(1)町田市産業振興計画19-28の進捗管理において、市内事業者の現状をどのように把握しているか。
(2)町田市中小企業融資制度の利用状況はどうか。
以上、壇上からの質問といたします。
○議長(木目田英男) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) 白川議員のご質問につきましては、担当からお答えを申し上げます。
○議長(木目田英男) 財務部長 井上誠君。
◎財務部長(井上誠) 項目1の物価高騰・金利上昇等が市の財政に与える影響についての(1)と(2)についてお答えいたします。
まず、(1)の予算編成・財政見通しにおいてはどうかについてでございますが、町田市の財政は、賃金の上昇や昨今の経済動向を背景に、市税収入は増加傾向にありますが、歴史的な物価高騰や賃上げに伴う労務単価の上昇、人手不足の影響などが財政需要を大きく押し上げており、大変厳しい状況となっております。また、町田市5ヵ年計画22-26における財政見通しの額についても、物価高騰等の影響により計画値を大幅に上回る事業規模となっております。
今後の予算編成に当たりましては、数年先まで見据えた事務事業見直しを着実に実行するとともに、国、都支出金等の補助制度の活用を徹底し、これまで以上に費用対効果、創意工夫の視点を持って事業に取り組み、持続可能な財政運営を確立してまいります。
最後に、次期5ヵ年計画における財政見通しについては、経済動向等を注視し、物価高騰による影響を適切に見込んだ上で作成してまいります。
次に、(2)の市債発行・利子支払いにおいてはどうかについてでございますが、市債の借入時金利については、前年度同時期から0.4から0.6ポイント上昇しており、今後発行する市債の利子償還額の増加が見込まれます。さらに、日本銀行の政策動向にもよりますが、今後も金利が上昇する傾向が続くと見込んでおります。
また、市債にかかる元利償還金につきましては、市が単独で負担するものと国が地方交付税として一定割合負担するものがございます。今後の市債発行に当たりましては、地方交付税の算定対象となる市債を優先的に借りるなど、より負担の少ない方法を選択し、公債費の軽減を図り、健全な財政運営を進めてまいります。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) 項目1の(3)の預金管理・資金運用においてはどうかについてお答えいたします。
資金の運用につきましては、歳計現金と基金のそれぞれについて、毎年度、資金管理計画を策定し、計画に基づいて運用しております。歳計現金につきましては、55億円の支払準備金を確保した上で、余裕資金について1年未満の大口定期預金により運用をしております。
定期預金は、収支の予定を考慮し、預ける期間と金額を分け、複数の金融機関に利率を提示してもらい、決定しております。
基金につきましては、基金残高のうち、積立てや取崩しの影響を受けない余裕資金に関しまして、中長期的な債券による運用と1年未満の大口定期預金による運用を組み合わせて行っております。
2024年度末の基金残高は約314億円であり、そのうち118億円を債券で運用しております。2024年3月にマイナス金利政策が解除され、金利が上昇したことにより、以前より多くの運用収益が見込める状況にありますので、安全性や流動性を確保しながら、効率的な資金運用を図ってまいります。
○議長(木目田英男) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 項目2の物価高騰・金利上昇等が市内事業者に与える影響についてにお答えいたします。
まず、(1)の町田市産業振興計画19-28の進捗管理において、市内事業者の現状をどのように把握しているかについてでございますが、市内事業者の現状につきましては、経済センサス等の各種統計資料のほか、日頃から町田商工会議所等の関係支援機関を通じて情報収集をしております。
また、町田市産業振興計画19-28後期実行計画の新たな取組として、2024年度から市内産業の現状や課題を把握するため、町田市地域経済現況調査を実施しております。2024年度の調査では、2024年9月から12月にかけて事業者アンケートや各種統計資料を通じ、売上げとコスト、人材過不足、ITツール活用の状況等について現状の分析を行いました。市内事業者の直近の課題は、主に価格転嫁、人手不足、DX対応、後継者不足等となっております。
次に、(2)の町田市中小企業融資制度の利用状況はどうかについてでございますが、町田市中小企業融資制度は、市内中小企業者が事業を行っていく上で必要な資金を円滑に調達できるよう、町田市と取扱金融機関が連携をして行っております。町田市は、取扱金融機関が中小企業者に対して実行した融資について、利子の一部を補助しております。
新規融資実行件数は、2022年度は576件、2023年度は643件、2024年度は666件で年々増加をしております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) それぞれご答弁いただきましたので、自席より再質問いたします。
まず、物価高騰が市の財政に与える影響について確認していきたいと思います。先ほどの答弁においても、物価高騰や労務単価の上昇などで市の財政も大変厳しい状況になっているということでございました。収支不足への対応については、過去の一般質問などでも確認しておりますけれども、今回、物価高騰の状況、どのように予算編成で計上するかというところを確認していきたいと思います。
一番分かりやすい数値であれば、消費者物価指数なのかなとは思うんですけれども、建設資材費、労務費、光熱水道料などの上昇を、何の指標であったり単価を用いているのか。予算編成において、具体的にどのように物価高騰の影響を見込み、予算計上を行っているのか、確認したいと思います。
○議長(木目田英男) 財務部長 井上誠君。
◎財務部長(井上誠) 予算編成につきましては、最新の消費者物価指数や建設費指数等のデータを基に、物価高騰等の影響を精査し、予算のほうに反映しております。今年度の当初予算編成においても、物価高騰の影響を見込み、予算計上しておりますが、例えば公共施設の光熱水費については、消費者物価指数の光熱費の値や直近の支出の伸び等を基に、必要な予算額を算出しております。
また、公共施設の工事につきましては、東京都市建設行政協議会が示します変動率などを基に、必要な予算額を算出しているところでございます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 予算編成については、今お話があったとおり、消費者物価指数であったり、直近の支出の伸び率であったり、あとは建設関係については都の変動率などを基に、予算を算出しているということが分かりました。
予算編成は翌年のことなので、まだ想定しやすいかと思うんですけれども、次期5ヵ年における財政見通しにおいては、なかなか想定しづらいように思います。現在進行中の5ヵ年、22-26では、当時、だから、コロナ禍でしたので、コロナの影響などは想定されていたものの、物価高騰については想定されず、織り込まれていなかったように思います。
現状を鑑みて、次期5ヵ年、27-31になるかと思うんですけれども、この継続的な物価上昇を見越して策定していく必要があるのかなと思うんですけれども、次期5ヵ年計画の財政見通しにおいて、物価高騰が与える影響をどのように見込んで策定していく予定なのでしょうか。
○議長(木目田英男) 財務部長 井上誠君。
◎財務部長(井上誠) 次期5ヵ年計画の財政見通しということでのご質問ですけれども、まず、先ほどもありましたけれども、市税等の歳入ですけれども、賃金の上昇や昨今の経済動向を拝見しますと、堅調な伸びを推移しておりまして、今後も増加傾向が続くものと見込んでおります。
一方で、次期5ヵ年計画の計画期間である2027年度から2031年度は、学校統合をはじめとする多くの建設事業が控えておりまして、建設費の増加が見込まれているところでございます。建設費につきましては、先ほども述べましたけれども、東京都市建設行政協議会が示す変動率のほうですね。それと労務単価の上昇トレンドを見越しながら、適切な事業費を見込んでいきたいというふうに考えております。
物価高騰が歳入と歳出の両面に与える影響を十分に考慮し、持続可能な財政運営を実現するための財政見通しを作成してまいりたいというふうに考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 物価の上昇も想定して見込んでいくということでございました。次期5ヵ年計画における物価上昇、リスクへの備えというところをしっかり構造的に組み込んでいただいて、持続可能な市政運営となるよう進めていただければと思うんですけれども、今お話のあった建設に関わる費用の増大というところは避けられないかと思います。予算規模がかなり大きいので、しっかりと計画を立てていただきたいのと、建設に際しては財源が、市債を発行していくことになるわけですけれども、先ほど冒頭でも触れたとおり、金利の上昇によって、これから発行される市債については金利が高くなっていくわけであります。
今後、学校統廃合をはじめとする多額の建設費が必要となる事業が想定されている中で、市債発行の額が増加される懸念があります。将来の公債費の負担の増加を防ぐために、どのような考えのもと市債を発行していく予定でしょうか。
○議長(木目田英男) 財務部長 井上誠君。
◎財務部長(井上誠) 市債につきましては、市の財政規模に対しまして、公債費等が占める割合を示す指標である実質公債費比率を毎年度算出しております。
2023年度決算における町田市の実質公債費比率は0.6ポイントで、多摩26市の平均の1.4ポイントを下回っており、近隣の自治体との比較では、公債費の負担が特別大きいものではないという状況となっております。
また、5ヵ年計画の中でも、各年度の事業計画を踏まえた上で、市債の年度末残高の目標額を定めまして、適切な範囲で市債を活用することとしております。これらの指標を基に将来の公債費負担を考慮し、計画的に市債のほうは発行してまいりたいと考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 現在、適正水準で計画的に市債の発行をして対応していくということなんですが、市債の主な借入先である財政融資資金において、2023年頃の10年償還では0.01%から0.05%程度で推移していたんですけれども、マイナス金利政策解除後、2024年4月以降の10年償還では0.5から1%台に上昇しております。
最新の数値で見ますと、1%を超えているような状況にあります。今はまだこういった1%程度でも耐えられる水準ではあると思うんですけれども、今後、仮にこれらが2%、3%と金利が上昇し続けた場合、負担抑制のため、例えば市債を発行せずに代替の財源を検討されるようなことがあるのか。例えば、可能性は低いとは思うんですけれども、財政調整基金等で財源を補填するような場合もあるのか、この辺の考えをお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 財務部長 井上誠君。
◎財務部長(井上誠) 市債は何でも借りられるわけではないんですけれども、市債の発行は施設整備などの特定の事業に限られておりまして、発行可能な金額は対象事業費の一定割合に限定されております。また、市債の機能としまして、単年度の多額な財政負担を軽減するとともに、市の財産となる土地の取得や公共施設の建設に係る経費を現在の市民だけではなく、将来の市民にも負担してもらうことで、税の負担の公平性を確保する側面もございます。
そのため、将来的に金利が上昇した場合でも、起債の発行によって事業費の財源を賄うことを基本的な方針としております。ただし、先ほどもありましたけれども、状況によっては財政調整基金の活用も視野に入れながら、借り入れのほうはしていくということでございます。
なお、実際に借入れの発行に際しましては、先ほどもお答えしておりますけれども、実質公債費比率や毎年度、年度末残高などの指標を基に、将来の公債費負担を慎重に考慮してまいりたいというふうに考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 貸付けの金利の上昇にかかわらず、実質公債費比率などの指標を管理しながら、再発行していくという考えであるということでした。
そうすると、金利上昇局面においては、利子償還が大きくなることを想定して予算や財政収支を見通していくことになりますので、さらに難しいかじ取りになるとは思うんですけれども、起債のタイミングの分散であったりだとか償還年限の平準化など、しっかりとバランスを取りながら、健全な財政収支に取り組んでいただければと思います。
次に、資金運用について確認していきたいと思います。2021年以降、債券保有枠はコア資金の60%相当、約100億円で設定されておりまして、安全性、流動性の確保、バランスを意識しながら運用していくということであります。2024年度末時点で118億円の債券運用をしているということでございますけれども、その種類であったり、年限の内訳についてはどうなっていますでしょうか。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) 購入する債券については、安全性を重視し、地方債、政府機関が発行する財投機関債、公共性の高い事業債などとしております。
なお、事業債については、一般担保付といいまして、特別法に基づいて発行され、優先的に弁済が受けられる権利のついたもののみを購入しております。割合としましては、事業債が最も多く76.3%、続いて財投機関債などが22%、地方債などが1.7%となっております。
債券の年限につきましては、償還までの年限が2年から20年までのものを保有しております。ちなみに、2024年度は5年及び10年の年限である中長期の債券を22億円分購入いたしております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) これまで利率の高い事業債を中心に、2年から20年までのものを購入しているということでございました。
債券運用を始めた当時、私もちょっとその中身を見せてもらったんですけれども、東京電力のパワーグリッド債の利率が高くて多く購入していたり、いわゆるSDGs債などを購入していることは確認させていただいております。このように分散させながら債券運用を行ってきたわけでありますけれども、実際に現在どれくらいの運用収益が出ているのかというところを確認したいと思います。
また、直近では普通預金や定期預金の金利も上昇しておりますので、併せて預金のほうの運用収益についてもお示しいただければと思います。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) まず、債券の運用収益についてでございますが、債券の2024年度年間受取利息額は、こちらは概算になりますが、約6,346万円で、運用利回りは平均で0.53%でした。2023年度の年間受取利息額が4,377万円、運用利回りは0.46%でしたので、2023年度に比べ、運用収益は約2,000万円増加いたしております。
普通預金、定期預金を合わせた預金による受取利息でございますけれども、2024年度は約3,110万円で、2023年度の受取利息額が380万円でしたので、約2,700万円、約8倍以上の増加となっております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 債券のほうも毎年分散して購入されておりますので、これからさらに運用利回りがよくなっていくことを期待したいと思います。
また、預金のほうも、金利が上がってくると、定期預金などもちょっとばかにできなくなるような水準になってくるかと思います。これまで横並びから、金融機関によっては高い金利を提示することも考えられますけれども、この定期預金の預け先金融機関の決定についての考え方はどうなっていますでしょうか。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) 定期預金につきましては、主に市内に支店のある金融機関に利率の提示を依頼し、決定しております。基本的には、利率の高い提示のあった金融機関に預けており、安全性や流動性を確保するため、1か所ではなく、分散して複数の金融機関に預けております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 基本的には高い利率のところから、ただし、安全性確保のために分散させているということでございました。分散する過程で利率の低いところを選択して、本来得られる利率よりかなり低くなってしまうようなことが起こらないように注意はしていただきたいなと思っております。現状の運用状況については理解いたしました。
次に、昨今の金利上昇局面においては、今までの運用方針が少しずつ変わってくるのかなと思うんですけれども、今後の資金運用について確認したいと思います。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) これまでの資金運用につきましては、特に債券について、先ほど申し上げましたように、事業債の割合が高くなっております。
しかし、最近の金利上昇の傾向を受け、事業債以外の債券についても多くの収益が見込める状況にありますので、今後は安全性を重視し、事業債以外の割合を増やしていきたいと考えております。引き続き、安全性や流動性を確保した上で、多くの収益が見込める金融商品を選択してまいりたいと考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) これまで事業債の利率が高かったので、少し事業債の割合が多くなり過ぎているところを、今、現状は他のものも利率が高くなっているということでありますので、債券、いろいろ種類があるので分散させていくということ、理解いたしました。
次に、基金については、今お話があったように、債券と預金での運用、歳計現金については預金での運用となりますけれども、利率がよくなってくれば、これは市にとっても期待したい財源となってくるわけでありますけれども、これらの基金や歳計現金の運用収益は、どの財源なのか、どこの財源になるのか、お伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) 基金を財源として購入した債券の利子、また預けた預金の利子については、基金の収入となり、各基金の前年度の基金残高に応じて配分しております。歳計現金を財源として預けた預金の利子については、会計課の歳入として一般財源となります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) あくまでも元の財源と運用の収益がセットであるということを確認させていただきました。
次に、資金管理計画について確認したいと思います。債券運用については、限度額を100億円としております。2025年2月末時点での債券保有額が118億円で、2025年度中に18億円が償還されても、限度額に達している状況ではあるんですが、2025年度から2029年度までの各基金の積立て、取崩しの予定を踏まえると、追加購入の余地があることから、2025年度は5年債を最大10億円購入することとされております。
毎年度、資金管理計画を策定しているというお話がありましたけれども、策定に当たっての見直しの考え方はいかがでしょうか。また、例えばいい債券が出たら追加で購入するだとか、年度途中での計画の変更があるのか、そのあたりについてお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) 計画の作成に当たっては、あくまで策定時点の金融動向を踏まえて策定しております。債券の運用額は100億円を基本としております。購入した債券について、今後、毎年度一定額の償還がございます。ですから、償還された分の再運用を含めて、各基金の積立て、取崩しの予定等を勘案して、翌年度の債券購入額を決定してまいります。
なお、年度途中の計画変更につきましては、大幅な資金需要が緊急に発生するとか、そういった特別な事情がない限りは行わない予定でございます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 年度ごとで管理されていることを確認させていただきました。
この項目の最後に、リスク管理について確認していきたいと思います。債券の運用先については、公共性の高いものに投資しておりますけれども、この金利上昇に伴って保有している債券の価値が減少するか、今現在持っている、保有している債券は減少するかと思います。
特に町田市においては、最長20年の債券などでも運用しているので、途中で売却すると元本割れのリスクがあります。そういった債券の価格リスクなど、そういったリスクへの対応というのはどうされているのでしょうか。償還の期限前に売却するようなこともあるのか、そのあたりについて確認したいと思います。
○議長(木目田英男) 会計管理者 田中隆志君。
◎会計管理者(田中隆志) 中長期に及ぶ資金運用においては、運用先の財務状況の悪化や市場環境の変化等によって保有している債券の経済的価値が減少するなどのリスクがあるということは認識しております。これらのリスクに適切に対応するため、資金運用リスク方針を定めており、この方針の中では、購入した債券は価格変動に伴う元本割れを回避するため、償還日までの満期までの保有を原則としております。
また、運用する債券は、元本償還の確実性が高い地方債、財投機関債、公共性の高い一般担保付の事業債などに限定しており、これらのリスクに対応しております。
○議長(木目田英男) 休憩いたします。
午前11時59分 休憩
―――◇―――◇―――
午後1時 再開
○副議長(おく栄一) 再開いたします。
あらかじめ会議時間を延長いたします。
休憩前に引き続き、一般質問を続行いたします。
19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 債券運用につきましては、収益の確保と財政の安定性との両立をし、安全性、流動性、収益性のバランスを意識し、今後も堅実な収益基盤づくりを続けてほしいと思います。特に金利上昇時においては、利回りが期待できますので、債券保有額や償還スケジュールをしっかり管理しながら、収益実績を伸ばしていただきたいと思います。
以上で1項目の質問を終わります。
次に、物価高騰・金利上昇等が市内事業者に与える影響について確認していきたいと思います。
先ほど市内事業者の直近の課題の一つに価格転嫁があるとの答弁がございました。全国的には、帝国データバンクによりますと、企業の平均価格転嫁率は約40%にとどまり、価格を上げられない企業の1割以上が全く転嫁できないとの状況だそうです。
東京商工リサーチの調査によると、約9割の企業が前年よりコストが増加し、そのうち七、八割は転嫁に取り組んでいるものの、実際に反映し切れているのは1割、2割にとどまっているという状況もあるとのことです。価格転嫁が進まないことによる利益圧迫と経営の悪化リスクが顕著となっております。価格転嫁できるかどうかが、そのまま企業として生き残れるかどうか、そういった状況になっている厳しい状況もございます。
そこで、確認したいと思います。町田市内の事業者の価格転嫁の状況はどうなっていますでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 昨年度、2024年度に市が実施いたしました町田市地域経済現況調査の結果では、コスト増加分の価格転嫁について、回答いただいた全体の約40%が価格転嫁できていないという状況となっております。製造業やIT関連業といった企業間取引の場合は、国において価格転嫁対策や下請取引の適正化のために様々な施策を講じており、価格転嫁が進んでいる場合も見られます。
一方で、消費者に商品やサービスを提供する飲食業などは、価格に添加した場合、顧客離れにつながると考える事業者が多いことが影響し、価格転嫁が進んでいないと分析をしております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 町田市においても、価格転嫁ができていない事業者が多いということが分かりました。
価格転嫁ができないと、企業は利益が減少いたしまして経営悪化、また、それによって倒産、そうなると、雇用減、賃金停滞など地域経済の低迷という悪循環に陥るおそれがございます。町田市としても、この負のスパイラルを防ぐために価格転嫁しやすい環境づくり、また交渉支援、補填策、制度支援等が不可欠だと思います。この価格転嫁できない状況に対し、町田市や商工会議所ではどのような対策を取っていらっしゃるでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 町田市では、市内事業者の経営の安定化に向けて、事業に必要な資金を円滑に調達できるよう、町田市中小企業融資制度を実施しております。また、商工会議所では、2024年度に市内事業者に向けて価格転嫁の考え方や手法、ポイント等を解説する講習会やセミナーを開催しております。
町田市のほうですけれども、コロナ禍後に発生した物価高騰等に対応するため、2022年度と2023年度には物価高騰対策事業者給付金事業を実施いたしました。その頃から市の融資制度を利用する事業者の中には、売上げは増えているものの、今後の仕入れ費用や賃金の上昇を見越し、長期的に事業経営を安定させるために融資制度を利用する、こういったケースが多くなってございます。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今、答弁の中で物価高騰等に対応するため、2022年度、2023年度においては、物価高騰対策事業者給付金事業を実施という答弁もありました。現状としては物価高騰が続いておりますので、こういった事業を本当は継続的に続けてほしいところではありますけれども、この話をすると、財源が国から下りてこないので難しいという話でどうしても終わってしまうので、質問はしないんですけれども、ただ、やはり自主財源でも予算をつけて実施してほしいということは要望しておきます。
次に、インフレ局面においては、人手不足になりやすいわけでありますけれども、厚生労働省などの調査によると、2024年の就業者数は過去最高でしたが、53%から63%ほどの企業が人手不足と回答しております。2025年4月には人手不足を理由とする倒産が36件発生し、その背景には借入金利の上昇や原材料費の上昇など、物価高騰などがあります。特に中小企業では、その割合が高く、事業継続に支障を来すほど深刻であります。
また、物価上昇による企業収益の圧迫は、次にやる人が見つからない、後継者不足につながりやすくなります。町田市においては、この人手不足、後継者不足はどのような状況にあるでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 人手不足についての市内事業者からの声といたしましては、新卒者においては、大手企業の志望が根強いため、中小企業は慢性的な人手不足になっているといった声を伺っております。また、ハローワーク町田からは、警備や建設業等では専門職や技術職を求めている一方で、仕事を探している方は事務職を希望する方が多く、求人側と求職側の職種がマッチしていないといった声を伺っております。
後継者不足につきましては、経営者は高齢になっているが、親族や従業員の中には後継者がいない、あるいは物価高騰などの厳しい経営環境を踏まえると、親族に継がせることは難しいといった声を伺っております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 後継者不足というのは、まさに事業承継の大きな課題でありまして、町田市産業振興計画19-28の後期計画――これは2024年度から2028年度になりますけれども――でも重要な位置づけとなっております。
国の経済センサスによると、町田市の開業率は、多摩26市におきまして比較的上位に位置している一方で、町田市の事業所数は直近では減少傾向にあります。こういった傾向から、社会経済情勢の様々な変化がある中で起業、創業した数よりも、廃業が上回っている状況にあります。
町田市の産業が今後も持続的に発展していくためには、新たな事業が立ち上がり、そして拡大し、さらに承継されていくということが大切だと考えます。後継者不足は事業承継の経営課題だと思いますけれども、この町田市産業振興計画19-28後期計画では、どのように取り組んでいるのでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 町田市産業振興計画19-28の施策の柱の一つであるつなぐチャレンジにおいて、事業承継の支援を位置づけております。町田市では、国の東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センターや東京都の多摩ビジネスサポートセンターなど、市内外の事業承継支援の専門機関や金融機関等14の団体で構成する町田市事業承継推進ネットワークを2019年度に都内で初めて構築し、各機関が連携して、それぞれの強みを生かしながら、市内事業者による事業承継に向けた支援を行っております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 支援については理解いたしました。
もう少し深掘っていきたいと思うんですが、このインフレによって中小企業の経営環境というのは非常に厳しくなっておりまして、原材料費、人件費の高騰により企業運営のコストも増加し、資金繰りの負担も大きくなっております。
そういった中で、不透明な将来展望の中で後継者がいない経営者については、事業を自ら継ぐよりも売却、譲渡によって次世代に引き継ぐという判断に傾きやすくなっているように思います。その結果、現在、M&Aによる事業承継についても加速しているんですけれども、こうした動きを支援する役割がますます重要になると考えるんですが、市内事業者における事業承継の傾向についてはどのように把握しているでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) ちょっと前になりますが、2022年度に町田市では、市の事業者における事業承継の現状やニーズを把握し、今後の支援策を検討する基礎資料とするために、事業承継に関するアンケート調査を実施いたしました。回答いただいた全体の73.1%が譲渡や売却を含む事業承継を予定しているという調査結果となりました。
また、引継先としましては、子どもに承継が41.9%を占め、親族内承継が主体となっております。さらに、親族、従業員以外の第三者に譲渡、売却、いわゆるM&Aをしたいと考えている事業者の割合は5.6%にとどまっているものの、M&Aによる事業承継に関心がある、あるいは今後検討したいと回答した事業者の合計は29.6%となっており、選択肢の一つとしてM&Aの可能性を考える事業者も少なくない状況となっております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 事業承継においては、子どもに承継することが多いものの、今もお話があったとおり、M&Aに関心のある事業者も多いということが分かりました。
現在、町田市においては、この事業承継推進ネットワークを整備して、事業承継を後押ししているという話がありましたけれども、事業承継の形はそれぞれで、子ども、親族承継であったり、従業員承継であったり、今言ったM&Aなど、あらゆるパターンに対応する支援体制が必要かと思います。
この町田市事業承継推進ネットワークによる支援、その状況はどうなっておりますでしょうか。また、今後の事業承継への取組の課題についても併せてお答えいただければと思います。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 町田市事業承継推進ネットワークは、円滑な事業承継支援に向け、年2回、情報交換会を開催しております。情報交換会では、ネットワークの構成団体における相談件数や相談内容、事業承継、完了件数などを共有しております。また、ネットワークの事業としましては、市内事業者向けの個別相談やセミナー等の実施、資金調達サポートなど、中小企業者のニーズに応じた支援に取り組んでおります。
2024年度からは、市内事業者が気軽に相談できる機会を増やすために、月に1回、第2水曜日に町田市の庁舎において、国が運営している東京都多摩地域事業承継・引継ぎ支援センターの専門相談員による個別相談会を開催しております。町田市事業承継推進ネットワークにおける2024年度の個別相談受付件数は362件で、このうち事業承継が完了した件数は25件となっております。事業承継完了件数の内訳は、親族への承継が15件、従業員への承継が2件、第三者への承継が8件となっております。
事業承継の課題としましては、事業承継は相続や資産査定など財産に関係する課題も多いため、経営者の年齢や財産整理に要する時間等を踏まえ、早い段階から事業承継について意識していただくことが必要となっております。
事業承継を意識していない市内事業者に事業承継を意識していただくためには、日頃から金融機関や税理士等との経営相談の中でも話題にしていただくことが有効だと考えております。そのため、現在、事業承継推進ネットワークに東京税理士会町田支部にオブザーバーとして参加していただくなどの取組を行っております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今のお話を聞く限りは、それぞれ実績も出ておりますし、様々なパターンに対応できているとは思うんですけれども、件数としてはまだまだ増やせるのかなと。現在の大きな流れにおいて、ニーズをまだいまひとつ拾い切れていないようにも思います。
民間でもビジネスとしてM&Aを促進しているような企業もありますけれども、このネットワークについては、町田市であったり、町田商工会議所だったり、また銀行であったり、先ほどのお話以外にも、こういった14の団体が関わっているからこその安心感がありますので、事業承継の相談、利用の促進が進むよう、周知のほうもお願いいたします。
次に、町田市の融資制度の質問に移りたいと思います。この制度を使って融資の件数が伸びているという答弁でございました。
昨年の第1回定例会の一般質問についても、この制度融資について取り上げたんですけれども、その際、利用状況を確認した際、答弁におきましては2022年度の町田市の融資制度、全体の予算で1億円超の利子補助で、年間40億円の新規融資実行額だったというような話がありました。
最新だと2024年度の状況が出ているかと思いますけれども、2024年度の利子補助と新規融資額は現在どれぐらいになっていますでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 2024年度の町田市中小企業融資制度の利子補助額は約1億4,300万円、新規融資実行額は約51億4,800万円となっております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) そうすると、利用状況、今、2年前と比べて大幅に伸びている状況が確認できました。
それとともに、再度の確認なんですけれども、この町田市中小企業融資制度の利用件数が例えばこれから大幅に増えた場合においても、いろいろ補正予算などで対応することは可能なんでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 市内事業者が、必要な運転資金や設備資金等を円滑に調達でき、経営安定化につながるよう対応していきたいというふうに考えております。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) その点、安心いたしました。やはり中小企業融資制度は、市が行っている産業関連の事業でも非常に意味のある事業だと思っておりますので、引き続き、事業者の資金繰りのニーズに応えられるよう実施をお願いしたいと思います。
また、前回質問した際に、より利便性を高めるために、融資上限額の増減といった提案をさせていただきましたけれども、その後、何か検討し、実施したことはありますでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 町田市の融資制度は、他市と比べて融資期間の全ての期間を利子補助の対象期間とするとともに、補助率を高めに設定するなど、中小企業の方々が利用しやすいように工夫されていると、市内の事業者、あるいは金融機関からご意見、評価をいただいております。
融資限度額の引上げの変更はございませんが、2024年度には創業資金の対象者の拡充を図りました。具体的には、これまで創業者個人につき、1回限りの利用としていた条件を、個人事業主として創業していた方が新たに法人を立ち上げた場合でも、創業資金を利用できるようにしております。また、2025年度からは、従来の環境改善整備資金をまちだECOto(いーこと)整備資金に名称を変更し、蓄電池システムや次世代自動車などにも対象とするよう拡充いたしました。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 限度額の引上げはなかったんですけれども、創業資金においては融資制度の拡充が行われたということでありました。この点は評価できるんですが、融資限度額の引上げについても引き続き、検討のほうをお願いいたします。
また、最近の金利上昇によって融資利率がこれからまた上がっていくことが想定されます。今後、融資利率が上昇してきた際には、今行っている補助利率についても引上げを検討していくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 融資利率の変更につきましては、町田市は6月1日時点で確認できる最新の長期プライムレートを参照し、変更が必要かどうか、現在、検討している段階でございます。補助利率の変更につきましては、融資利率が確定した後に検討してまいります。いずれも金融機関や他自治体等の状況を踏まえた上で検討を進めてまいります。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) この点は検討していただけるということで、ぜひよろしくお願いいたします。
また、今、金融機関からの情報収集という話もありましたけれども、金融機関が持つ情報というのは取引企業の売上げだったり、収益構造であったり、資金繰りであったり、そういった財務データでありますし、また、そういった財務データに基づいて運転資金や設備資金のニーズなど、詳細なデータをリアルタイムに把握していると思いますので、昨今の物価上昇であったり、今の金利上昇の中で、市内事業者の影響を把握する上では、金融機関と連携を取ることは非常に重要であると考えるんですけれども、市は今後、金融機関との連携は取っていくという考えはあるのでしょうか。
○副議長(おく栄一) 経済観光部長 塩澤直崇君。
◎経済観光部長(塩澤直崇) 金融機関との連携につきましては、町田市産業振興計画19-28の推進に当たりまして、町田創業プロジェクトをはじめ、町田市事業承継推進ネットワークや町田市中小企業融資制度において、他の支援機関とともに取組を進めているところでございます。今後につきましても、金融機関や町田商工会議所とともに、様々な面で連携しながら取組を進めてまいります。
○副議長(おく栄一) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 町田商工会議所と連携を取っていくことはもちろんなんですけれども、金融機関とも、より綿密な連携を図っていくことで市内経済の動向が把握できると思いますので、この連携を推し進めていただきたいと思います。
本日は物価高騰や金利上昇が市の財政に与える影響、市内事業者に与える影響を様々な角度でお伺いをいたしました。町田市としては、予算編成や中長期の財政計画において、こういったリスクを正しく織り込みつつ、将来にわたる起債計画のタイミング、分散や償還年限の平準化など、慎重かつ柔軟な資金運用戦略をより明確にすることが求められます。金利や物価などの変動に耐え得る財政運営を高度に図りつつ、持続可能な市政運営に資するために、引き続き的確な政策運営に取り組んでいくことを強く期待したいと思います。
また、市内事業者においては、原材料費、人件費の高騰、金利上昇による資金繰りの圧迫、そして価格転嫁が進まない中小企業の苦境など、多くの課題が浮き彫りとなっております。特に後継者不足や雇用維持、技術継承の観点でも深刻な影響が懸念されること、今回の一般質問で確認をさせていただきました。
物価高騰の対策、価格転嫁、資金繰り、事業承継、これらの支援策を強化していただくとともに、中小企業融資制度についても、さらに利便性の高いものになることを期待し、以上で私の一般質問を終わります。
2025年第1回定例会一般質問 議事録
◆19番(白川哲也) それでは、通告に基づき、一般質問を行います。
今回は3項目行います。
1項目めは、行政経営改革についてです。
行政経営改革については、5ヵ年計画の実行計画の中で、経営改革プランとして、目標、数値の設定などによって具体的に定められております。また、取組においても、町田市デジタル化総合戦略、町田市市民参加型事業評価、町田市行政経営監理委員会、町田市職員定数管理計画、自治体間ベンチマーキング、外部監査制度など、多岐にわたって取り組まれております。選ばれる町、選ばれる町田であり続けるために、この行政経営改革の取組というのは、町田市にとって必要不可欠なものだと思います。
そこで質問いたします。
行政経営改革について。
(1)現在までの取り組みは。
(2)今後の方向性は。
次に、町田市民病院の財政についてです。
2020年度から2022年度のコロナ禍においては、病院運営自体は厳しい状況にあったものの、コロナ関連補助金によって黒字を確保できておりましたが、2023年度については、コロナ関連の補助金がなくなる一方、入院患者も、外来患者もコロナ禍前には戻らず、約9億円の純損失となりました。2024年度においても、2023年度と比べれば改善は見られるものの、病院運営としてはまだまだ厳しい状況にあります。中期経営計画においては、2024年度からは経常損失、純損失も黒字を想定しておりますけれども、今年度、ここまでの運営状況を見ると、黒字での着地が難しいように思います。
そこで、2点伺います。
(1)中期経営計画と比較し現状はどうか。
(2)今後の財政上の課題は。
最後に、包括外部監査についてです。
町田市では、2007年4月から、市政運営へのチェック機能を強化し、市政の透明化の向上を図り、市民からの信頼を高めるため、外部監査制度を導入しております。外部監査制度は、市の組織に属さない公認会計士、弁護士、税理士等の外部の専門家が市長との契約に基づいて市の財務管理を行う制度で、包括外部監査は、町田市の財務に関する事務の執行及び経営に係る事業の管理のうち必要と認める特定のテーマを選定し、年1回以上の監査を行うものであります。そして、監査により受けた指摘、意見については、結果に対する措置進捗状況で報告しております。
この仕組みが始まってから約18年が経過し、その在り方も変わろうとしている側面もございますので、確認していきたいと思います。
(1)包括外部監査の趣旨は。
(2)これまでの措置状況は。
また、2024年度の包括外部監査、補助金等に関する財務事務の執行についてでは、大きく3つの意見がつけられております。全庁的な措置対応の推進について、指標及び目標値の設定について、終期の設定について、いずれも、これら3点についてはできていないというような意見でございました。
そこで、伺いたいと思います。
(3)2024年度包括外部監査「補助金等に関する財務事務の執行について」の指摘を受けて、どのように取り組んでいくのか。
以上、壇上よりの質問といたします。
○議長(木目田英男) 市長 石阪丈一君。
〔市長石阪丈一登壇〕
◎市長(石阪丈一) 白川議員のご質問にお答えをいたします。
私からは、項目1の行政経営改革についてにお答えします。
まず、(1)の現在までの取り組みはについてでございますが、私は、2006年の市長就任当初から、全ての世代の人々に生活の質の向上を実感していただくこと、市民目線による行政経営改革を進めること、この2つの志を持って市政運営に取り組んでまいりました。行政経営改革につきましては、数々の取組を進めてまいりましたが、中でも印象深い4つの取組について申し上げます。
初めに、市民参加型事業評価では、市民と有識者が評価人となり、事業所管部署との対話を通じて公開の場で事業を評価し、改善を進めてまいりました。この取組は回を重ねるごとに進化させており、2017年度からは市政への子どもの参画を推進するため、高校生を評価人に加えました。子どもの意見を聞くだけではなく、子どもが事業の評価から改善まで参加しているということについて、ユニセフから高い評価を受け、全国で6自治体のみであるユニセフ日本型CFCI実践自治体の承認につながったと考えております。また、今年度、2024年度は、若者の市政参画を進めるため、中央大学総合政策学部とコラボレーションし、大学生のアイデアを取り入れた、よりオープンな取組といたしました。
次に、包括外部監査では、公認会計士等の専門家が市の財務監査を行うことで、市政運営へのチェック機能の強化、市政の透明性向上を図ってまいりました。町田市では、地方自治法での実施が義務づけられておりませんが、自主的に条例を制定し、2007年度からこれまでにほぼ全ての行政分野の監査を実施してまいりました。監査で受けた指摘につきましては、速やかな改善に取り組んでおり、ここ5年間の措置率は99.7%でございます。これまでの措置対応については、全国市民オンブズマン連絡会議が取りまとめております包括外部監査の通信簿において評価が公表されている過去15回のうち、最も高い評価であるA評価を11回受けております。
そして、新公会計制度では、2012年度に、市町村では全国で初めて複式簿記・発生主義の考え方を取り入れた企業会計に近い会計方式を導入し、市民の皆様への説明責任を果たすとともに、職員の意識改革を図ってまいりました。この結果、財政情報を積極的かつ適切に開示しようと取り組んでいる地方自治体を表彰する早稲田大学パブリックサービス研究所のパブリック・ディスクロージャー表彰2023でグッド・パブリック・ディスクロージャー賞を受けました。2012年度決算から2022年度決算まで11年連続の受賞となり、トップランナーであり続けているというふうに自負をしております。
4つ目、最後に、行政サービスのDXでは、市民と市役所との接点である窓口のDX、いわゆるフロントヤード改革に力を入れてまいりました。具体的には、市民の方が窓口に来る手間をなくす行政手続のオンライン化を進めてきました。その先進性や有効性が評価され、東京都のTokyo区市町村DXaward2024におきまして、行政サービス部門で優秀賞を受賞し、3年連続の受賞となりました。また、日本最大規模の政策コンテストであるマニフェスト大賞2024におきまして、政策・まちづくり部門の優秀賞を受賞し、2年ぶり2回目の受賞となりました。このほか、時事通信社の全国自治体フロントヤード改革度ランキング2024で1位になるなど、各方面から高い評価をいただき、DXといえば町田市との認識が広まっているというふうに感じております。
次に、(2)の今後の方向性はについてでございますが、今後の行政経営改革の方向性として3点を申し上げます。
まず、オープンイノベーションの推進についてでございます。複雑化し多様化する社会課題に対応するためには、市役所内外を問わず様々なアイデアを組み合わせて新たな価値を創造することが必要と考えております。市民や事業者、あるいは大学などの皆様との対話によるつながりを大切にし、様々なコラボレーションを行うことで、市だけでは持ち得ないアイデア、あるいはノウハウ、さらには最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、これまでにないサービスや新しい価値を市民の皆様に提供してまいります。
具体的には、2024年度に設置した公民連携窓口「Co-Laboまちだ」を通じて、事業者の皆様の地域に貢献したいという思いの実現に向け、社会課題の解決や市民サービスの向上につながる提案をいただく民間提案制度を始めています。現在、学校給食を活用した食育推進や未利用の市有地の活用など、17のテーマで提案を募集しており、より多くの提案をいただけるように取り組んでまいります。
また、オープンイノベーションを支える情報基盤を整備するため、誰もが市に関する膨大なデータを簡単に利活用できるオープンデータファクトリーまちだをインターネット上に構築いたします。これにより、社会課題の解決や地域経済の活性化につながることを期待しております。
次に、業務のフルデジタル化の推進でございます。物価高騰と同時に人手不足の深刻さが増す中で、デジタル化の重要性はますます高まっております。これまで進めてきましたオンライン手続の種類を拡充するとともに、バーチャル市役所ポータル「まちドア」を進化させ、オンライン手続をより使いやすくすることで、フロントヤード改革を進めてまいります。また、申請を受け付けた後の審査や許可の決定など、いわゆるバックヤードにつきましては、まだ職員の手による紙ベースの作業が残っているため生成AIをはじめとしたデジタル技術の活用による効率化を進めてまいります。
行政サービス改革=DXの認識のもと、フロントヤードからバックヤードまで一貫してデジタルベースの仕組みに変えていくことで、便利で手間のかからないバーチャル市役所を目指してまいります。
最後に、行政経営改革を推進する人材を育成することと選ばれる市役所になることでございます。職員の人材育成につきましては、先月、職員の様々な意見を反映した町田市職員人材育成総合プラン25-29を新たに作成し、目指す職員像として、「みんなを思いやり、自ら考え、自ら行動し続ける職員」を掲げました。このプランに基づき、市民目線を持って、常に業務改革や改善をし続けるチャレンジ精神を持った職員を育成してまいります。また、多くの方に町田市役所で働きたいと思っていただけるように町田市役所の魅力をしっかりとアピールして、意欲ある仲間を募ってまいります。
これらの行政経営改革を進めることで、社会課題を解決するとともに、市民サービスや仕事を絶えず見直し、持続可能な市役所を目指してまいります。
その他の項目につきましては、市民病院及び担当からお答えを申し上げます。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 項目2の町田市民病院の財政についてにお答えいたします。
まず、(1)の中期経営計画と比較し現状はどうかについてでございますが、町田市民病院は、中期経営計画に基づき、急性期医療のニーズに応えるべく、入院単価の向上と安定的な病床稼働を図り、収益的収支の黒字化を目指してまいりました。
現状についてですが、入院単価については、急性期の患者さんに対して手術や容態急変時の迅速な対応などの高度かつ専門的な医療を提供する体制を充実することなど、医療の質向上につながる取組により金額を高めてまいりました。2024年度の入院単価は、1月までの平均で約7万2,000円となっており、中期経営計画で目標としていた6万5,000円を上回っております。
続いて、病床稼働については、当院の入院患者数は2023年度を上回っているものの、都内の急性期を担う一般病棟を有する多くの病院と同様に入院患者数が伸び悩んでおり、中期経営計画の目標値設定の基準とした新型コロナ感染症拡大前の2019年度の水準に回復することができない状況となっております。2024年度の病床利用率は1月までの平均で約71%となっており、中期経営計画の最終年となる2026年度の目標とした85%を下回っております。そのため、経常収益につきましては、中期経営計画に掲げた財政見通しにおける2024年度の145億5,700万円を下回る見込みとなっております。
続いて、費用に関しましては、近年の人件費の増加により、財政見通しにおける2024年度の給与費を約4億円上回る見込みとなっております。加えて、物価高騰とともに、新たに開発され高い効果を有する抗がん剤の使用量の増加等により、財政見通しにおける2024年度の薬品費を約1億円上回る見込みとなっております。そのため、経常費用につきましては、財政見通しにおける2024年度の144億6,900万円を上回る見通しとなっております。
これらの結果、経常収益から経常費用を差し引いた2024年度の経常収支は、財政見通しにおいて見込んでいた黒字化は困難な状況となっております。
次に、(2)の今後の財政上の課題はについてでございますが、給与費や薬品費などの費用の増加を含めた収益を確保するため、2025年4月に緩和ケア科を設けることやダヴィンチを用いた低侵襲手術を推進することによるがん治療の充実など、より一層地域住民のニーズに応じた医療サービスの提供に努めることで入院患者を増やし、安定的な病床稼働を図ることが課題となっております。
そのためには、さらなる救急患者の受入れ数と地域医療機関からの紹介患者数を増加することが必要となります。それらと同時に、手術件数を増加し、さらなる入院単価の向上を目指すことによって、経営基盤を強化できるよう取り組み、2025年度における経常収支の黒字化を目指してまいります。今後も、持続可能な病院経営の実現に向け、引き続き、経営努力を行ってまいります。
○議長(木目田英男) 政策経営部長 神蔵重徳君。
◎政策経営部長(神蔵重徳) 項目3の包括外部監査についてにお答えいたします。
まず、(1)の包括外部監査の趣旨はについてでございますが、町田市では、市政運営へのチェック機能の強化、市政の透明性の向上、市民の皆さんからの信頼向上を目的として、自主的に町田市外部監査契約に基づく監査に関する条例を制定し、2007年度から包括外部監査を導入いたしました。
次に、(2)のこれまでの措置状況はについてでございますが、制度導入から今年度まで計18回の包括外部監査で、業務委託や物品の管理、そして補助金などの全庁横断的な事務や子ども・子育て支援や防災、そして経済観光などの特定分野の事務をテーマとし、市政をくまなく網羅的に外部の視点で監査をしてまいりました。包括外部監査で受けた指摘や意見については、監査を受けた部署において速やかな改善に取り組んでおり、直近5年間の指摘と意見、計343件のうち現時点で342件が改善済みであり、措置率としましては99.7%になっております。
特に(3)の2024年度包括外部監査「補助金等に関する財務事務の執行について」の指摘を受けてについてでございますが、2024年度包括外部監査は、補助金等に関する財務事務の執行についてを監査テーマとして、補助金等を所管する全部署を対象に実施いたしました。その結果、指摘が12件、意見が21件ございました。
監査全体を総括した意見としては3点あります。1点目は、同種の指摘が繰り返されており、監査結果を全庁的に周知し改善を図る仕組みを構築する必要があること、2点目は、補助金等の必要性や効果を定量的に把握するために、全ての補助金等に指標や目標値を設定するべきであること、3点目は、補助金等を定期的に見直す機会を設けるため、全ての補助金等に終了の期限を設定するべきであることといった内容でございます。
監査結果に対する今後の取組としましては、指摘や意見のあった部署での改善はもちろん、全庁的な改善に取り組んでまいります。具体的には、対象部署以外における同様の事例が発生していないか点検することや、2010年に作成しました補助金等についての見直し方針の再検討を実施いたします。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) ご答弁いただきましたので、自席より再質問いたします。
まず、1項目めの行政経営改革についてですが、こちらは、市長から、これまでの取組、そして、今後について詳しくお伺いいたしました。市長が就任以来、市民目線による行政経営改革を進めるという志を持って市政運営に取り組んできたこと、改めて確認をさせていただきました。
とりわけ4つの具体例を挙げていただきまして、市民参加型事業評価、包括外部監査、新公会計制度、行政サービスのDXを取り上げていただきました。市民参加型事業評価は、もともとは事業仕分けから始まりまして、それが進化して、子どもの参画という現在の形になっております。包括外部監査は、財務事務の適正化、透明化に貢献しており、また、DXは、先ほど、自治体のランキングでも1位というところのお話もありました。新公会計制度については、決算審査において、職員はもちろんなんですけれども、我々議員にとってもより深い議論のできる必要不可欠なものとなっております。この点、市長がやはり思いを持って行ってきた取組だからこそ、形になっているものだと思います。
また、これからの取組としては、オープンイノベーションの推進、業務のフルデジタル化の推進、行政経営改革を推進する人材を育成することと選ばれる市役所になることとしていますので、これらの取組を通じて市民サービスの向上や持続可能な市役所を目指していただきたいと思います。本当はいろいろ細かいことを聞こうと思ったんですけれども、市長から思いを様々伺いましたので、この項目については再質問はしませんので、2項目めの市民病院の財政から再質問を始めたいと思います。
コロナ禍でありました2020年度から2022年度の3か年については、コロナ関連の補助金があり、黒字が続いていましたけれども、コロナが明けた2023年度については、先ほどお話ししたとおり約9億円の純損失となりました。中期経営計画上の純損益はマイナス2億円の純損失を見込んでいたんですけれども、約7億円想定よりも赤字が多いこととなりました。そして、2024年度については、中期経営計画上ですと約5,000万円の純利益を見込んでおりましたけれども、先ほどのご答弁のとおり、黒字化は厳しい見込みとなっているということでありました。
2023年度の決算見込み額と実際の決算額を比較すると、医業収益では、入院収益の見込額87億円に対して実際の入院収益額が81億円で6億円のマイナス、コロナ明けで、病床利用率は、2022年度64.9%から2023年度70.7%に増加したものの、先ほどの答弁でもあったとおり、コロナ前の2019年度の実数値77.9%にも及ばない状況、これがマイナスになってしまった大きな要因だと思います。中期経営計画上の病床利用率の目標値が85%で、2024年度の1月までの平均が約71%ということで、2024年度についてもまだまだ乖離がある状況かと思います。町田市民病院の財政のことを考えた際に、この病床利用率というのがそのまま収益、また黒字化に直結すると言っても過言ではなく、やはりこの病床利用率というものが肝になるかと思います。
先ほど、答弁では、収益確保のために安定的な病床稼働を図るということでありましたけれども、病床利用率を上げるために具体的にどのように取り組んでいく予定なのでしょうか。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 病床利用率を向上するための取組としましては、先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、救急患者及び紹介患者の受入れを増加させることに力を入れてまいります。
具体的に申し上げますと、救急患者の増加につきましては、高齢化の進展によって増加することが見込まれる糖尿病、心不全など、複数の疾患を同時に有する患者をこれまで以上に診療科間の連携によって受け入れることや、救急外来で対応した患者をスムーズに病棟で受け入れられるよう、ベッドコントロールの効率化により一層取り組むことによって、救急患者を一人でも多く受け入れてまいります。
紹介患者の増加につきましては、医療機関との交流会や勉強会、個別訪問を通じ、これまで患者を紹介していただいている連携医療機関との関係強化や、新たに患者を紹介していただける連携医療機関との関係構築を図ります。また、医療機関に対してはもちろんのこと、市民に対しても、市民病院での受診を希望していただけるよう、市民病院が行っている医療情報の発信を充実してまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) ぜひとも取組を強化していただければと思います。当然、今もいろいろ取り組んでいただいているかと思います。町田市民病院の運営状況の分かる直近の資料を拝見したんですけれども、病床利用率が直近ですと74%まで上昇しておりますので、いろいろ取り組まれている中で少しずつ効果が出ているのだと思っております。ぜひとも取組の強化、そして病床利用率を引き上げていただければと思います。
次に、病院の収益は、当然、入院収益だけではなく外来収益もございます。外来については、来過ぎても困るという部分も当然あるんですけれども、一方で、外来から入院につながっていくことも考えれば、そのバランスを取りながら外来患者の推移を見ていく必要があるかと思います。外来単価については、中期経営計画の目標値1万3,000円に対して、もう既に1万4,000円を上回っている状況でもあります。
一方で、外来収益は想定よりも少ない状況がある、これは患者数が少ないということかと思うんですけれども、ですので、現在は外来患者数も多少増やすような方向性で進めていくのもよいのかなと思っているんですけれども、外来患者の現状、そして、今後の推移についてどのように見込んでいるのかお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 2024年4月から2025年1月までの1日当たりの外来患者数は約926人となり、2023年4月から2024年1月までの約978人と比較し、約52人減少しております。今後につきましては、先ほどお答えしましたとおり、救急患者や紹介患者の増加を図り、病床利用率を向上するため、検査など、入院に際して必要な外来受診の機会を確保してまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今926人、52人減少しているということでありました。外来患者については、1日1,000人以下という目標値が設定してあるので、それは達成できているかとは思うんですけれども、今ご答弁でもあったとおり、外来から入院につなげていくということも勘案すれば、1,000人程度で推移していくのも望ましいのかなと思うので、先ほども申し上げましたとおり、外来患者については、うまく推移やコントロール、管理しながら適切な管理をお願いできればと思います。
そうすると、財政面でいくと、やはり入院収益、先ほどから申し上げておりますとおり、病床利用率を上げていくということが必要不可欠だと思います。そういった中で、コロナ禍のうちに整備して、2023年度に開設したHCUですけれども、これはICUと一般病棟の間ぐらいで、ICUよりも重症度が低いものの、一般病棟では看護が困難な患者を受け入れる病棟で、利便性が高く、前回、質問した際には、利用の滑り出しというのは好調だったというようなお話もありましたけれども、現在はこの病床利用率の向上に寄与できているのか伺いたいと思います。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) HCUはハイケアユニットの略称でございまして、高度治療室のことですけれども、一般病棟では受入れが困難な重症患者等に対して、きめ細やかな治療と看護を集中的に行うことができるようにするとともに、より一層の救急患者の受入れを推進するため、2023年5月に開設いたしました。
2023年5月に開設して以降、2023年10月までは、開設当初ということもございまして、12床のうち8床で運用を行っていたため、2023年度と単純な比較はできませんが、2024年4月から2025年1月までの期間に受け入れた患者数は1か月当たり247人で、2023年5月から2024年1月までの期間と比べまして37人増加をしております。HCUの2024年度の病床利用率は、2025年1月末時点で約67%となっております。2024年6月にHCU受入れの基準を見直したこと等による救急患者等の受入れ増によって病床利用率は上昇傾向にあり、11月以降は約8割を超えており、病院全体の病床利用率の向上に寄与しております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 11月以降は8割を超えているということでした。いろいろと直近の数値を確認させてもらうと、今年の1月時点では90.3%ということもお伺いしておりますので、現状、うまく活用できているのかなと思っております。そちらの取組については、引き続き高い水準を保てるようにお願いできればと思います。
次に、入院収益に直結するものとして手術件数、手術料があるかと思います。昨年、その動向を確認した際には、手術件数、手術料ともに前年よりも増加傾向にあったということを確認できました。直近の手術件数、手術料の動向は現状どうなっているでしょうか。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 手術室における手術件数につきましては、2024年4月から2025年1月までの期間が4,052件で、年間4,619件であった2023年度の同一期間の3,874件と比べて178件増加することができました。手術件数の増加が多い診療科を見ますと、眼科が93件の増、脳神経外科が40件の増、整形外科が34件の増となっております。
また、手術料につきましては、2024年4月から2025年1月までの期間が18億2,364万2,000円で、年間約20億7,100万円であった2023年度の同一期間の17億3,033万円と比べますと9,331万2,000円増加しております。手術料は入院単価のうち4分の1を占めておりますので、手術件数を増やすことによって、さらなる入院収益の増加に努めてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 手術については、件数、そして手術料ともに増加しているということで、引き続き、努力していただければと思います。
また、その手術の中でも、ダヴィンチの稼働状況については、前回質問した際には徐々に増加しているということも伺っております。2022年12月から稼働して、昨年質問した際には、2024年2月から、新たな症例として肺がんの手術を実施したとの答弁もありました。2024年度については、ダヴィンチによって、さらなる何かできる取組、適用があったのか、また、利用件数についても伸びているのかお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) ダヴィンチにつきましては、前立腺がんの手術で、2023年2月に初めて手術に適用しました後、直腸がん、肺がんに適用してまいりました。2024年11月には、新たに腎がん――腎臓のがんです――の手術においても適用を始めております。1月までの手術件数は83件と2023年度の年間63件を既に上回っております。今後も、ダヴィンチによる手術は、より正確な手術が可能となるだけではなく、従来の開腹手術とは異なり、小さな切開によって手術を行う、いわゆる低侵襲の手術であるため、患者さんの体に与える負担が軽減され、術後の回復が早く、仕事や家庭生活への早期復帰が見込めます。そのため、ダヴィンチによる手術は患者さんからのニーズが高まっているということもございますので、適用する診療領域の拡大を進めるなど、手術件数を増やしてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) ダヴィンチによる手術件数が2024年度についても増加しているということが確認できました。また、ダヴィンチについては、先進的な医療を扱っているよというアピールにもなるので、医療水準が高いというイメージから町田市民病院が選ばれるような、そういう効果も見込めるかと思うので、積極的な周知というのもお願いできればと思います。
次に、先ほどの壇上での質問に対する答弁で、人件費の増加が、2024年度の給与費が約4億円上回る見込み、物価高騰とともに薬品費が約1億円上回る見込みになっているというような答弁がありました。この経費の部分の増加については示されましたが、やはり経費が上がってくれば、その分、収入で吸収していかなくちゃいけないわけでありますけれども、一方で、町田市民病院は病院なので、その収入部分は、診療報酬という仕組みの中で、その増加分を吸収していかなくてはいけないわけなんですけれども、この人件費、薬品費等の高騰に対して、診療報酬で充足されないのかどうなのかお伺いしたいと思います。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 1月22日に、日本病院会をはじめとした病院5団体が合同で、人件費増、物価高などの影響で多くの病院が深刻な経営危機に陥っているとして、厚生労働大臣に緊急的な財政支援などの対策を要望いたしました。要望の中では、「現在、物価の高騰や賃金の急激な上昇局面の中、病院の経営は非常に厳しい状況に置かれています。2024年に診療報酬改定が行われましたが、物価が3%弱上昇し、職員の処遇改善が求められた環境にもかかわらず、本体の改定率は0.88%と非常に低く設定されました。医療は、診療報酬という公定価格で価格が決められており、各病院は物価上昇分を価格転嫁できない環境にあります」とされています。
当院におきましても全国の病院と同様の状況にあり、診療報酬改定は医科、歯科、本体の改定が2年に1度、薬価については1年に1度で、タイムリーに人件費、薬品費等の高騰を全て反映することができず、厳しい経営状況に直面しております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今ご答弁があったとおり、物価上昇に対して診療報酬の改定率は低いというところで、なかなか物価高騰、人件費の高騰に診療報酬改定が追いついていない、そのことがやはり財政状況を圧迫しているということが理解できました。ただ、この仕組みがある中でやりくりしなくてはいけない状況があると思いますので、現状は耐えるしかないのかなとは思うんですけれども、そうなると、現状、今の仕組みの中でやるべきこと、できるべきことというのは、やはり喫緊では、病床利用率を上げて、入院収益を上げていくことかと思います。
その取組として、先ほどもお話があったんですけれども、紹介してもらえる医療機関との連携ということがありました。既に紹介率、逆紹介率というのは高い状況にあると思います。以前、質問した際には、紹介率及び逆紹介率について、地域医療支援病院としての国の基準があり、紹介率は60%以上、逆紹介率は40%以上となっている中で、町田市民病院は、2023年度、既に紹介率が80.9%、逆紹介率が68.1%ということで、高い数値をキープしておりましたけれども、直近の紹介率、逆紹介率というのは、現状、どうなっているでしょうか。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 2024年4月から2025年1月までの紹介率は82.6%となり、2023年度の同一期間の80.9%と比較し1.7ポイント上昇しております。2025年1月までの逆紹介率は68.8%となり、2023年度の同一期間の68.1%と比較し、0.7ポイント上昇してございます。2024年4月から2025年1月までの期間の紹介患者数は1万3,656人となり、2023年度の同一期間の1万3,331人と比較し、325人増加しております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) うまく連携が取れて高い状況にあるということ、そして、その中でもさらに上昇できているというところが理解できました。
確認なんですけれども、この紹介、逆紹介が病床利用率にはどのように寄与していくのか、その点についてお伺いできればと思います。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 市民病院は紹介受診重点医療機関でございまして、地域の医療機関からの紹介状を持って受診をしていただくことに重点を置いた医療機関です。手術や入院などの二次医療を必要とする患者さんをご紹介いただくことにより、当院の病床利用率の向上につながっております。
また、当院の外来は急性期の患者、他の医療機関で治療が困難な患者をより多く受け入れる役割を担っております。そのため、当院での治療を終え、病状が安定した患者さんにつきましては、紹介元となる地域の医療機関へ逆紹介を行っております。これによって各医療機関の特性に応じた患者さんの対応を行うことができるようになり、当院においては、入院が必要な急性期の患者さんをより多く受け入れることによって、病床利用率の向上、安定した病院経営へ寄与すると考えております。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) ぜひとも連携しながら病床利用率の向上を図っていただければと思います。
この項目の最後になります。毎回、市民病院の質問をする際には、やはり黒字化を目指してほしいということを申し上げております。そういった話をずっとしていく中で、コロナ禍になってしまって、本当に厳しい状況になったんですけれども、そういった中でも、逆にコロナ禍においては、補助金がもらえたことによって、3年連続黒字化ができた。しかし、コロナ禍が明けたところで、2023年度は一気に落ち込んでしまって、赤字になってしまって、今年度も厳しい状況となっている。しかし、やはりアフターコロナという中で、先ほども2025年度は黒字化を目指していくというようなお話もあったんですけれども、ぜひとも、部長に、2025年度黒字化に向けて、意気込みとより具体的な取組というものをお伺いできればと思います。
○議長(木目田英男) 市民病院事務部長 服部修久君。
◎市民病院事務部長(服部修久) 市民病院は町田市で唯一の公立病院であり、東京都の二次救急医療機関として手術や入院を必要とする急性期の患者さんを受け入れております。また、災害拠点病院、地域医療支援病院、地域周産期母子医療センターなどの指定を受け、地域の医療体制を支える重要な役割を担っており、市民の皆様や地域の医療機関の皆様に大きな期待をしていただいているものと認識をしております。
その多くのご期待に応えるためにも、今後も地域の中核病院としての役割を果たせるよう、町田市医師会の先生方とともに地域医療連携をより一層推進することにより、急性期患者の増加とともに手術件数を増加させることによって、黒字化を目指してまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今、事務部長のほうから、黒字化を目指すとはっきり意気込みを伺うことができました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。今回は、とりわけ病床利用率を高めて入院収益を上げる取組ということを中心に伺いました。来年度からの黒字を目指して、次期中期経営計画の初年度であります2027年度は、ぜひとも、そこは黒字でスタートできるように、経常的な黒字を目指して経営改善に取り組んでいただくよう期待をいたしまして、この項目については終わりたいと思います。
最後に、3項目め、包括外部監査についてです。
この項目を取り上げた理由は大きく2つありまして、1つは、包括外部監査の必要性の再確認というところと、もう一つは、包括外部監査の指摘に対する全庁的な対応はどのようにしているかの確認であります。包括外部監査は、本当にこれまで非常に大きな意味があったと思っております。外部からの目で客観的に見てもらって、指摘や意見によって気づきがあり、措置を行うことによって、様々な財務事務が向上してきたかと思います。
一方で、18年が経過して、受ける指摘というのも似たようなものになっているように感じてしまうところもありますので、少し過渡期に来ているように感じる部分もあるので、市としてはどのように考えているのかという点、それと、私は、包括外部監査について一般質問で取り上げることも多いんですけれども、ある部署で指摘を受けて、それを全庁的に共有していきます、対応していきますという答弁がある一方で、今回、包括外部監査の意見でも、全庁的に対応できていないですよという形で同じようなことを言われてしまっているので、本当に全庁的に対応できているのかという課題認識を持ちながら、今回、質問をしたいと思います。
まず、包括外部監査の必要性というものを少し確認していきたいと思うんですけれども、先ほど答弁の中で、これまで、条例を制定して、自主的に包括外部監査を実施してきた。これは先ほど市長がおっしゃられたんですけれども、このような形で町田市と同様に条例を制定して包括外部監査を実施している自治体というのは、どれくらいあるのでしょうか。
○議長(木目田英男) 政策経営部長 神蔵重徳君。
◎政策経営部長(神蔵重徳) 包括外部監査は1997年の地方自治法改正によって定められました。都道府県、政令市、中核市は地方自治法で実施が義務づけられておりますが、その他の自治体は条例を定めることによって実施することができます。これまでに、条例を制定して自主的に包括外部監査を実施してきた自治体は、中核市に移行することで実施が義務となった自治体を除きますと21自治体でございます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 条例を制定して、自主的に包括外部監査を実施した自治体は21自治体あるということですけれども、そのうち、現在でも、経常的に包括外部監査を実施している自治体と実施を止めてしまった、やめてしまった自治体はどの程度あるのでしょうか。また、実施をやめてしまった自治体があれば、そのやめた理由も併せてご答弁いただければと思います。
○議長(木目田英男) 政策経営部長 神蔵重徳君。
◎政策経営部長(神蔵重徳) 先ほどの21自治体のうち、現時点で経常的に包括外部監査を実施している自治体は、町田市を含めて5自治体でございます。残る16自治体のうち、1自治体が2022年度から2024年度までの期間限定で実施しておりました。残りの15自治体は廃止または休止となっております。包括外部監査を廃止または休止した理由につきましては、監査開始から一定期間が経過しまして、当初の目的を達成したためとしている自治体が多い状況でございます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 包括外部監査を経常的に行っている自治体が、町田市を含めて5自治体と、廃止または休止が15自治体で、やめた理由というのが当初の目的を達成したためということでありました。町田市においても、今申し上げましたとおり18年間やっているので、ある程度、達成した部分もあろうかとは思うんですけれども、今回、もう少しペースを落としながら緩やかにやっていくということでありますので、ぜひとも、これから、実施に際しても有意義なものにしていただければと思っております。
次に、全庁的な対応なんですけれども、2024年度の包括外部監査で、先ほどもちょっと触れたんですけれども、同じような指摘が繰り返し発生している状況が見受けられ、全庁的な改善対応が不足している、こういう意見がありました。私が包括外部監査に関する一般質問をした際には、監査で受けた指摘への対応について、全庁で対応するよという旨の答弁がされていたわけです。しかし、今、このような意見が述べられているので、どのような指摘が繰り返し発生しているのか、また、なぜこのような結果になったとお考えなんでしょうか。
○議長(木目田英男) 政策経営部長 神蔵重徳君。
◎政策経営部長(神蔵重徳) 包括外部監査では、ここ数年、契約事務や会計事務について同じような内容の指摘事項をいただいております。指摘事項への対応につきましては、監査を受けた部署では改善に努めており、その措置率はほぼ100%という状況でございます。一方で、監査を受けていない部署に対しましては、包括外部監査を所管する経営改革室が契約事務や会計事務の所管部署とともに指摘事項の周知を行い、同様の問題が発生しないように対応を促しておりました。
この結果、2024年度の監査で受けた指摘事項は直近5年の平均に比べて半減しております。半減はしているんですが、監査人の意見にあったように、同じような指摘事項が見受けられることから、各部署が契約事務や会計事務の点検を習慣化する仕組みが必要であると認識しているところでございます。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 監査を受けていない部署に対しては指摘事項の周知を行い、同様の問題が発生しないように経営改革室が主導で対応を促した。対応を促した結果、2024年度の監査で受けた指摘が直近の5年に比べて半減していると。半減はしているけれども、全てなくなるには至っていないということかと思うんですけれども、やはりまた外部監査で指摘を受けて、このような全庁的な改善は、言い方は悪いですけれども、甘いというような意見が付されている中で、同様の指摘が繰り返されないようにするための今後の取組についてお伺いできればと思います。
○議長(木目田英男) 政策経営部長 神蔵重徳君。
◎政策経営部長(神蔵重徳) 同様の指摘事項が繰り返されないようにするため、監査の実施頻度を現在の毎年度実施から2年度に1回の実施に変更することで、全庁的な改善に集中して取り組み、監査と改善のサイクルを確立したいと考えております。具体的には、監査の翌年度に、指摘事項について、監査を受けていない部署においても現状調査を行い、指摘に至った原因を分析いたします。そして、この結果を踏まえ、事務マニュアルを修正するとともにチェック体制を強化するため、課長や係長など、職層に応じた職員研修を実施するなど、再発防止策を講じてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 監査の実施頻度を2年度に1回にすることで改善していくということでありました。この点、ようやく理解できたところというのは、ほかの自治体ではやめている例もあるんだけれども、町田市においては2年度に1回実施することで、その改善により集中していくということかと思います。
そういった中で、今、今後行う全庁的な改善策については理解できたんですけれども、この改善を進めたことの成果というものはどのように検証していくのか、そこについて、最後、お伺いできればと思います。
○議長(木目田英男) 政策経営部長 神蔵重徳君。
◎政策経営部長(神蔵重徳) 改善の成果につきましては、包括外部監査だけではなくて、監査委員監査も含めて、指摘事項の件数や内容を確認し効果を検証してまいります。今後も検証を踏まえた包括外部監査を継続することで、適正な事務の執行に努めてまいります。
○議長(木目田英男) 19番 白川哲也議員。
◆19番(白川哲也) 今の2つの答弁で、包括外部監査を続けていく意義というものが理解できました。
2007年からスタートして18年となるこの包括外部監査です。先ほど少し触れましたけれども、多少やっぱりマンネリ化があったように思います。ただ、これまで様々な分野で網羅的に外部の視点で行われた包括外部監査が、今回、頻度を変えて全庁的な内部の周知改善の体制をしっかりと構築し、町田の財務事務の向上がさらに図られることを期待いたしまして、私の一般質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。












