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町田市民病院について
私は直近の町田市議会第4回定例会でこの町田市民病院の件について取り上げています。町田市民病院は町田市に対し20億円の借入を行いましたが、これは運転資金や設備資金といった前向きな資金ではなく、事業継続のため赤字補てんのためのセーフティネット資金に近い性格です。町田市民病院は2023年度に約9億円、2024年度に約16億円の純損失を計上し、今年度末には20億円以上の純損失、約24億円のキャッシュフロー減少が見込まれており、経営状況はまったなしの状態にあります。市側は、物価高騰や診療報酬制度の制約により、医業収益が増加しても費用増がそれを上回っているという構造的な課題を認めています。
町田市民病院の経営改善のための具体的な取り組みについては、収益増加策と費用削減策の両面から以下の自助努力を進めていると説明がありました。費用削減策では、診療材料や医療機器の共同購入を徹底し、2024年度に年間約6,000万円のコスト削減を達成され、また、東京都の補助金(生産性向上・職場環境等整備支援事業)を活用し1,760万円の補助を受け、医療職の勤怠管理システムを導入し業務効率化を図っている点について確認しました。収益増加策については、自由診療ではなく保険診療を基本とし、地域医療への役割に基づいた救急患者の受け入れ強化や紹介患者の受け入れを重点的に推進する方針が示されています。
赤字幅広がっている最大の要因は、経営改善の最重要指標である病床利用率が、中期経営計画の目標85%に対し、2024年度実績で71.0%(休棟分を除いても76.9%)に留まっています点です。病院側は、今後はより高度な下部消化器系の検査・処置へのシフト、ダヴィンチ手術の積極的な発信、救急受け入れ体制の強化で改善を目指すと答弁がありました。また、市は総額2,000万円を投じる2カ年の経営基盤強化支援業務を外部コンサルタントに委託していることを確認しています。
地方公営企業法の全部適用を受ける町田市民病院には、町田市民の生命と健康を守る公的使命を維持するとともに、主体的な経営努力をもって財政を健全化させる責任があります。このため、黒字化に向けた具体的な想定と、主要な改善策の効果を数値化した上で、明確な目標と行動計画の早期設定が必要です。実効性のある具体的な道筋を数値で管理し実現することで、市民の信頼に応え、この地域に不可欠な公立病院の安定的な経営基盤が確立されることを期待しています。
野球場の受益者負担について
球場値上げの2議案に賛成をしました。受益者負担については以前より一般質問で取り上げており(平成28年3月、令和2年12月、令和4年12月)、特に受益者負担割合100%に設定されていて、その設定された数値に到達していない施設については、その数値を目指して収支を合わせていく努力をしていかなくてはならないと考えています。民間であれば赤字となった場合に損をするのはその企業ですが、公共施設においては税金で補填されます。つまり、利用しない市民が割りを食う仕組みとなっています。受益者負担割合100%の施設については、民間の損益分岐点と同様に明確な基準があるからこそ、100%を目指し適切な運営に取り組んでいかなくてはならないと思います。
私は前提として上記のような考え方であるので今回議案の賛成していますが、答弁や質疑から反対議員の反対理由は以下の通りです。
→ 利用者の負担増が大きくなり、気軽に利用できなくなる。
→ いきなり1.5倍の利用料金増は受け入れられない。
→ 利用料収入を上げる努力をしていない。
→ コスト削減の努力をしていない。
→ 民間提供がないので、区分Ⅲ(受益者負担割合50%)の施設である。
→ 利用団体への事前の説明がない。
利用者の負担が大きくなるのはその通りですが、値上げをしない場合は利用者以外の市民の負担になるので、受益者負担適正化の考え方からすると値上げはせざるを得ないと思います。特に今回町田市の球場だけが他の球場と比べてとりわけ高いというわけでなく、近隣相場に合わせて上げるということなので、物価高騰なども勘案するとやむを得ない措置に思えます。また、なぜ1.5倍にするのかと言うことについては基準があり、受益者負担割合が30%を切っている場合は1.5倍、超えている場合は1.3倍という説明がありました。野津田球場だけは30%を超えているので、野津田もなぜ1.5倍にするか質疑をしたところ、球場については1つの球場で考えるのではなく、すべての球場をセットで考えているとのことでした。
利用料収入の増加やコスト削減については常に考える必要があり、私自身も質疑の場で、利用料収入増やコスト削減の取り組みをすべきであることは伝えましたが、しかしそのことを持ってこの議案に反対するのは違うと思います。
民間で同様の施設がないので受益者負担割合50%の施設であるという意見については、確かに民間で球場を提供してはいないので納得する部分でもありますが、以前からこの区分が定められていたものについて、値上げになるタイミングでその話を持ち出し反対するのは違うと思うのと、今回の値上げで想定される受益者負担割合が45%程度になるという答弁もあり、今回の改定においても50%を上回る想定ではないので反対する根拠にはなりづらいように思いました。
受益者負担の適正化については、毎年公表される施設別受益者負担割合一覧表で管理されています。この施設別受益者負担割合一覧表では、球場の値上げの方針が数年前から打ち出されています。ですので、突然出された議案という認識よりは、これまでの方針に基づいて提出された議案だという印象が強いです。一方で他議員が反対理由で利用団体への説明や配慮を上げているように、市と利用団体とのコミュニケーション不足は否めません。このような議案が出るという話ではなく、今後値上げに方針が示されているということを事前に利用団体に説明があってよかったと思います。
バス事業の受益者負担について
町田市ではバス事業として「玉ちゃんバス」「かわせみ号」「まちっこ」を展開しています。年に一度、課別事業別行政評価シートで受益者負担の割合を算出しており、受益者負担比率を見ることで、事業の運営状況の良し悪しを確認することができます。
玉川学園コミュニティバス「玉ちゃんバス」の受益者負担比率は、直近で74.7%→99.5%→101.0%と推移しました。コロナ禍による一時的な落ち込みを乗り越え、現在は自立した運営が可能な水準を維持しています。この100%超えという数字は、単なる偶然ではなく、地域住民との密接な連携や路線の最適化など、積み上げてきた実績が、社会情勢の回復とともに再び形になったものです。
金森地区コミュニティバス「かわせみ号」の受益者負担比率も37.9%→50.9%→65.5%と改善が進んでいます。高齢者向けのサルビアカードを出張発行するなど、行政側が利用者を待つのではなく、地域に飛び出す工夫を凝らしたことが直接的な利用者増につながりました。サルビアカードの発行により、対象の高齢者だけでなく同乗者の利用も増えたことで、想定以上の波及効果を生み、目に見える数字として収支を押し上げています。
その一方で、依然として厳しい状況にあるのが市民バス「まちっこ」です。公共施設巡回ルートの比率は16.4%→8.1%→16.0%。相原ルートにいたっては5.4%→6.4%→7.8%と推移していますが、依然として一桁台という極めて低い水準にとどまっています。
交通不便地域の解消という大義はありますが、これほど低い水準が続くようであれば、路線の打ち切りすら検討せざるを得ないレベルにあると言えます。税の分配という公平な視点に立てば、効率性の低い事業に公費を投入し続けることは、市民に対する説明責任を果たせているとは言い難く、抜本的な再検討が不可欠です。
ここで重要なのは、「玉ちゃんバス」や「かわせみ号」で得られた成功のノウハウを、いかに「まちっこ」へ横展開していくかという点です。良好な実績を上げている路線には必ず理由があります。それを単なる個別の事例で終わらせるのではなく、ニーズに合わせた柔軟なルート変更や地域特性に応じたプロモーションなど、市全体の共通の経営戦略として昇華させなければなりません。
利用者の視点に立った主体的な経営努力を尽くすことで、路線の格差を埋めていく。そのプロセスを経て初めて、市全体の公共交通の質を底上げし、持続可能な行政サービスへと繋げることができるのです。












